2024-10-01から1ヶ月間の記事一覧
先週くらいだろうか、しつこく居座っていた盛夏が終わりようやく晩夏がきた。そして今週、ようやく秋の入り口に差し掛かってきた。カラリとした空気、少し和らいだ日差し、涼しい日陰、風が街中を駆けめぐる。気分も軽くなり、フットワークがふわふわだ。ホ…
「春気限定いちごタルト事件」「夏季限定トロピカルパフェ事件」に次ぐ小市民シリーズ第三弾。 中学まで、知恵を働かせすぎて人を出し抜いて真相を見抜き、迷惑がられてしまうことが多かった小鳩常悟朗と、復讐に楽しみを見出しやはり人とトラブルを抱えてし…
Xで「#名刺代わりの小説10選」というハッシュタグがあり、自分も久々にポストしてみた。その作品が次の10作。 再掲す好き好き大好き超愛してる。/舞城風の歌を聴け/春樹恋に至る病/斜線堂恋文の技術/森見横浜駅SF/柞刈湯葉カラスの親指/道尾パラークシの記憶…
「春気限定いちごタルト事件」に続く、小市民シリーズ第二作。 中学まで、知恵を働かせすぎて人を出し抜いて真相を見抜き、迷惑がられてしまうことが多かった小鳩常悟朗と、復讐に楽しみを見出しやはり人とトラブルを抱えてしまっていた小山内ゆきは、二人で…
「ある女王の死」「妹の夫」「雌雄の七色」「ワイズガイによろしく」「ゴールデンレコード収録物選定会議予選委員会」の五作からなる短編集。初出は全部小説推理。 「ある女王の死」は、最恐の高利貸し榛遵葉の死体の傍に置いてあるチェス盤から物語が展開す…
5人の著者が「脱出」をテーマに書いたミステリー小説集。 作品は、次の5作。阿津川辰海「屋上からの脱出」、織守きょうや「名とりの森」、斜線堂有紀「鳥の密室」、空木春宵「罪喰の巫女」、井上真偽「サマリア人の血潮」 読んでいて、わたしの中で「ミステ…
銀座。それはお金持ちの街。身なりの良い人が、上品に歩き、高貴な服を纏い、豪奢なディナーを食す。こんな普段蛮族の地をふらついているわれわれが銀座に行ってどうすると言うのだ(いやけっこういきますけどね)。金、金が足りない。しかしそんな人に朗報…
八雲の母は、身体が徐々に塩に変わっていく「塩化病」を患っている。小学3年生の八雲は他人の痛みを自分の痛みとして感じてしまう幻肢痛のアレンジ版みたいな特性があり、母の感じる痛みやあった場所に無い腕のその空白を痛みとして感じてしまう。ある日その…
小鳩常悟朗は高校一年生。同じく高校一年生の小山内さんとは互恵関係にある。二人は現状に満足して何かを深く追わない執着しない「小市民」であろうとしており、そのための言い訳としてお互いを使おうという取り決めをしている。 しかしそんな二人の前に、高…
マイクル・コーニィ「ハローサマー、グッドバイ」の続編。だが、前作を読んでいなくてもまったく問題なく楽しく読める。ただ、前作のラストのネタバラシがあるので、気になる方は「ハローサマー、グッドバイ」から読んでみた方が良い。 さて、本作。 17歳の…
30歳の多田は古本屋の店主。いつものように店に出ていると、女子高生に万引きされる。捕まえて名前を確認し、なぜそんなことをしたのかと問うとその女子高生岬は「名前を覚えてほしかった「同じ本を読みたかった」というようなことを話し、「好きです、結婚…