ちょっとした感想
以前こんな記事を書いた。 nagainagaiinu.hatenablog.jp わたしの趣味の一つとして短歌を挙げたいのだが(願望形なのは下手すぎるから趣味と言っていいのか悩ましい)、自分が作る以外にも当然人の作った短歌を読むのも好きなのだ。そして、現存する歌人でも…
この週報書いたり書かなかったりなのだが、今週というか先週分からちゃんと書くのを習慣化したいと思う(決意) 今週(先週)はほぼ短歌に関わる本を読んでいたようだ。 シンジケート / 穂村弘 歌人の穂村弘の第一歌集。1980年代を思い起こす、おしゃれで都…
各界に好きな人が多い雪舟えまの「たんぽるぽる」をついに読んだ。言葉の感じが好きだと思った(語彙力)。何が好きなんだろう、あんまりまだ言語化できていない。やわらかい言葉遣いの中にときどきドキっとするような鋭さがあったりして。女性っぽさが苦手…
穂村弘の自選短歌集。穂村弘は他の著作で読んだ限りだと、本人曰く、かっこつけて短歌を作っているところがあるらしい。確かにかっこつけてるのかなと思うものもある。ただでもただただ巧いなと思う。わたしなんかがそんなこと言っても説得力も何も無いが、…
歌人の穂村弘が、作家やらモデルやらと対談し、主に短歌について語りまくる本。対談相手は、北村薫(作家)、酒井順子(エッセイスト)、三浦しをん(作家)、清家雪子(漫画家)、高橋英里(小説家)、知花くらら(モデル・女優)、金原瑞人(翻訳家)、文…
2024年も上半期が終わる。長いようで短い、早いようでゆっくり、いろいろと形容のしようはあるが、とにかく上半期が終わる。 そこで、今年の1月から6月までに読んだ小説(50冊)の中で、文句なしにおすすめしたい小説をまとめておきたい。尚、これはあくまで…
夫と別居することになった著者が、出会い系サイトで申し込みがあった人と軽くお茶しながら話したりしてその人を深掘りし、本をおすすめしまくった記録。出会い系サイトと言っても、出会いを異性との恋愛目的に限定していない、さまざまなバックグラウンドの…
大好きな岡野大嗣の第二歌集。 たやすみ、は自分のためのおやすみで「たやすく眠れますように」の意 ということらしい。 この人の持つ孤独感の輪郭みたいなものがすごく好きだ。どうしてこんなに寂しいのだろう。寂しさを主題にしているわけでもなさそうな歌…
知らぬ間に、穂村弘の歌集の新装版が出ていたので読んだ。実は穂村弘の歌集を読んだのはこれが初めてだ。短歌の作り方とかの本はいくつか読んだが、歌集そのものを読むことがあまりなかった。なぜかは分からないが、まあ機会が無かったのだろう。友達(とい…
あるとき英智大学新入生の祝部は、大学の帰り道で襲ってきた男を逆に殺してしまう。そこに織賀というやはり英智大学の学生が現れ、助けてくれると言う。織賀の車のトランクに死体を詰め、後部座席に乗り込むと、隣の座席にはまた別の死体が乗せられていて…… …
映画サークルに所属する尚吾と絋は在学中にある映画賞を授賞する。尚吾は小さい頃から祖父に連れられさまざまな映画を観てきた。その一方で絋は島出身で、映画館などなかったので映画を観たことがなかったが、美しいものを撮るのが好きだった。卒業後、尚吾…
中学生一年生ののこころは、学校でいじめにあい不登校。ある日自宅にいると、自室の鏡が光、その中に入るとそこは、「おおかみさま」が案内人となるかがみの中の世界、かがみの孤城だった。集められた7人の中学生。鍵を見つけた一人だけが願い事を叶えられる…
あるとき小説家森見登美彦は、かつての同僚に誘われて「沈黙読書会」という読書会に参加する。「謎」の本を持ち寄り、その謎について話し合う、しかし、謎を解決してはならないという、それこそ謎の読書会だ。そこで白石さんが持っていた「熱帯」という本、…
党局員のウィンストン・スミスは、党による支配について疑問を抱いている。二重思考などによってさまざまな感情を呼び起こされるが、基本的には、世界は革命前より良くなっていると信じていないし、間違っていると思っている。それは彼の仕事にも関わってい…
今週は少し体調が悪くて&賞に出す短歌を考えたりして、あまり本を読めなかった。三冊。全て小説。 裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル 異世界で女の子が二人が危険な目にあいつつもいろいろ探索したりしていく。ネットロアを下敷きにしたストーリー…
裏世界ピクニックのシリーズ第2作。 1作目の感想はこちら。 nagainagaiinu.hatenablog.jp 裏世界に行くことができる主人公空魚と鳥子は、今度は裏世界に取り残された米軍を助けに行くことにする。グリッヂを見ることができる空魚の能力のおかげで米軍を首尾…
殺し屋シリーズ第3作。 兜はひどい恐妻家。表の顔は文具メーカーの営業職だが裏の顔は純然たる殺し屋。家族のためを思って殺し屋家業から足を洗おうとするが、仲介役の「医師」からそれを却下され続けている。 渋々依頼をこなす中で、昼間に知り合った知人と…
異世界とそこで出会う怪異にまつわる連作短編集。 ひょんなことから異世界(裏側、裏世界)に入り込むことができるようになった主人公空魚のピンチから話は始まる。空魚は同じく裏側に入ることができる鳥子によって助けられ、なんとか生き延びることができる…
まぼろしスイマー(岡田奈紀佐) 岡田奈紀佐さんの作品集。都会的でどこか客観的な短歌の中にときどき見える深い傷跡みたいなものが読者にも刺さる。世界を突き放しているのに欲しているというか。 少し感想。 手放したものに手向けるためでなくただ飾るため…
それぞれの作家が書いた中編のミステリが二編収載されている。本の表紙をめくると封筒が挟まっており「*256ページまで読んでから、開封してください」と書いてある。読者は、これが自分への挑戦状なのだろうと思って読み進めていくことになる。 阿津川辰海「…
詐欺師武沢はこの数ヶ月、テツとコンビを組み仕事をしていた。テツは鍵のトラブルを扱う店を営んでいて、あるとき武沢の家の鍵に細工をして騙そうとしたのを武沢に見抜かれる。武沢はテツを警察に突き出すのではなく、コンビを組んで一緒に詐欺を働くように…
2022年10月にイーロン・マスクが twitterを買収したのは記憶に新しい……わけでもないな結構昔だ。とにかく現実の世界でそういうことが起こった。従業員の多くがリストラされるか自らtwitterを去り、サ終(サービス終了)するんじゃないかと界隈に緊張が走った…
鏡公彦はあるとき、自殺した妹佐奈が三人の男に強姦されていたという事実を知る。その密告者は犯人の名前と所属、さらにその娘・孫たちの名前と所属とその行動表を公彦に渡す。それを受け取った公彦は……また並行して突き刺しジャックの犯行は続く。明日美は…
「第1話 平成28年」「第2話 平成31年」「第3話 令和4年」「第4話 令和5年」の四話からなる物語。各話で主人公が異なり、一人の人物だけが一貫して登場する。ので実際はこの人物が主人公ということになるだろう。 第1話は地方から慶應大学に入学した意識の高…
東京すみっこごはんシリーズ完結編。 「東京すみっこごはん」とは、下町のとある商店街を抜けた一角にある共同台所。その日に集まった会員がくじを引いて食事を作り、みんなで文句を言わず美味しく食べましょう、という集まり。このシリーズは、この「すみっ…
阿部共実の「月曜日の友達」を読むと思い出を捏造できるという話を書きました。
さまざまな哲学者の言説を用い、「退屈」を体系的に整理した後、ではどのようにそれを乗り越えればいいのかということに一定の答えを出した本。 「退屈」を体系だって定義していてそれが興味深かった。ハイデッガーの分類で退屈の第一から第三形式までを整理…
1ヶ月と少しの入院で読んだ本の一言感想を、読んだ順に更新していこうと思う。詳しい感想は個別の各記事のリンクを貼るので飛んで見てほしい。 この記事は、その都度追記して更新していく。 (最終更新(完結):2024/05/30) 1 北欧女子オーサが見つけた日…
突然だがわたしは入院に関しては一家言ある。なぜならこの8年で12回に及んで持病をこじらせ入院しているからだ。各回の平均入院期間は3ヶ月ほどである。暇の過ごし方ならまかせろ。そう、入院は暇なのだ。そのときどきによりゲームを持って行ってずっとやっ…
時をかけるゆとり (文春文庫) 作者:朝井リョウ 文藝春秋 Amazon 「桐島、部活やめるってよ」で大学生デビューを果たし、「何者」で直木賞を最年少で受賞した作家朝井リョウの初期のエッセイ。 全体的に昔のテキストサイトとかみたいな文章だった。学生時代の…