塔短歌会主宰らしい。塔には入るか検討した。まあそれはいいや。ちょっと若い人or若い頃の短歌から離れた歌集も読もうかと思って手にした一冊。
お母さんの面倒を見て、看取るところが、自分の父ちゃんを看取ったときのことを思い出して泣きそうになった。
しかたがない、しかたがないと言いながら置き去りにした母をベッドに
母を残し帰る歌だろう。こういう「しかたがない」という場面は、遅かれ早かれ誰もに訪れる。自分だって生きていかなければならない、生活がある、だから何かを見捨てるというわけではないけれど手をかけきれないことが起こる。
とくに実家から離れた場所に暮らしていると、両親が歳をとったときに起こる問題だろうと思う。しかたがない、と言いながら、心ではしかたがないと思えていなくて、裏切っているような気持ちになって、苦しいのだ。
もう会えない、そのことがよく分からない 蠟の火の中芯は曲りて
大切な人を亡くすと、一瞬よく分からなくなる。当たり前に会えていたから、会いにいけていたから、もうどこにいっても会えないという新しい状況に馴染めない。ただぼーっと蠟燭を見ている。
手の骨を鉄の板から剥がしおりもう母じゃないこれは違うから
母はいない いないだけだよ川べりに秋海
棠の垂れ下がりゆく
わたしは父を失くしたのが26歳のときで、父は54歳だった。しかも突然死だったから本当に意味がわからなかった。病院で繋がれてもう意識は戻らないと言われ過ごした最後の1週間を思うと今も苦しいが、それよりずっと歳をとって、親が死ぬ、正当といっては変だけれど当たり前に人が死ぬような年齢になった親が死んでも、やはりこのように言いようのない悲しみに襲われるんだろうか。関係性によるのかな。などなどといったことを考えた。
