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最近読んだ短歌の入門書(再読あり)

短歌の作り方をそもそも学ぼうという試み。過去にも読んだことのある入門書などを、今また読んでみようというのだ。

読んでみると忘れていることばかりで、なるほどなと思いながら読み進めた。でもわたしの短歌、もう全然ダメじゃん、とかなしくもなった。全然ダメです……

短歌入門 / 岡井隆

前に一度読もうとして読まなかったのでこの本は初見だった。今から見ると潮流が変わっている部分もあると思うが、基本はここなのかなとも思った。しかし茂吉の言うように万葉集を読むかと言われると、うーむ。解説本を読むかしらね。古典文法大体覚えてるつもりだけど、あいまいな部分もあるし。助動詞とか。

「初句と結句は無限の距離にあるべき」「事物を用いて感情を語る」「事柄でなく感情を」「一首には一つの感情」などなど、ああそうなんだと思った。短歌の型というものをあまり身につけてこなかったので、体系的に読むことができてよかった。

短歌という爆弾 : 今すぐ歌人になりたいあなたのために/ 穂村弘

第三章からしごく真面目な短歌論。短歌とは何をどう表現していく詩なのか。

「共感と驚異」といった穂村弘の著作にはお馴染みの概念から始まって、生の一回性、生そのものの異常事態性、愛の希求の絶対性などさまざまな例を用いて丁寧に説明している。「生き延びる」と「生きる」を明確に区別し、人は「生きる」べきで、短歌もそうあるべきだと。

なるほどねと思った。というか、こんな深く洞察していかないと短歌というのは分からんのだなと軽く絶望した。

天才による凡人のための短歌教室 / 木下龍也

若手の歌人による短歌の入門書。
読むべき歌集がまず列挙されていて、いくつかは持っていたり図書館で借りたいしたものだったが、半分以上は読んだことがないものだった。図書館で借りられたものは借りたが、とうぜん歌集はほとんど図書館に無いのだ。しかし無職なので歌集を買えない。

歌人を二人インストールする、歌人と名乗る、などから始まって、定型を守ること、助詞を省かないことなど実際的な話をしていく。
面白かったのは、「(困ったら)雨を降らせろ。月を出せ。花をさかせろ。鳥を飛ばせろ。風邪を吹かせろ。ひかれ。だれか、何かを待て。時間、空の様子、季節を述べろ。」という項。ちょっとした裏技だ。また、死や神は体験した人がいないから解釈の余地がありまくっていて歌にしやすいというのも面白かった。なるほどと。
また、表現についてのポイントなども書いてあったし、よかった(語彙力)。

まとめ

いつも困るのが、改作例などが示されている時に「これ改作前の方が好きだなあ」と思ってしまうようなものがたくさんあること。これは、わたしが素人同然だからだと思う。短歌という形にして表現するならば、それに見合ったやりかたというのがあるのだろう。
穂村弘が「あの人と短歌」かなんかの中で、「大学に短歌を教えに行って添削したら、いやー俺的にはこれなんですよね、みたいに言われた」というようなことを言っていた。短歌としての良さより、感覚を重視されるともうどうしようもない、みたいな。きっとそういうことだろう。

まあまずは形を知りたいよね、ということで、短歌入門書の旅は続く。オススメあったらオススメしてください。