蛮族の地台東区に起居して2年半。せっかく近所になった江戸東京博物館は延々と改修工事を行なっている。2025年の再開を目指しているらしいが、気の遠くなるほど、来年なんて誰にでもある保証もないほどなのだ。
ということで両国には行く機会がこれまでなかったのだが、夏休み終盤まだまだ暑いこの時期だけに、目で愛で涼を得ようと、浮世絵を鑑賞するためすみだ北斎美術館を訪れた。
両国駅から五分ほどまっすぐすすみ最後公園のところを少し折れると到着。無駄にかっこいい。妹島和世という建築家の設計らしい。
企画展 北斎グレートウェーブ・インパクト ー神奈川沖浪裏の誕生と奇跡ー
今回の企画展はこちら。
「北斎グレートウェーブ・インパクト」と称された企画は、グレート・ウェーブこと葛飾北斎晩年の名作「富嶽三十六景」の「神奈川沖浪裏」の制作に至るまでの歴史的影響や経緯、さらにその作品がどれだけの影響を後世に及ぼしてきたか、ということを各時代に分けて説明している。
残念ながら企画展は撮影禁止。
しかし富嶽三十六景を目で愛でられてとてもよかった。これまで北斎の絵では「富嶽三十六景 甲州石班澤」がもっとも好きだったのだが、
今回展示されていた、88歳のときに描いた肉筆画「千鳥の玉川」に圧倒され、一位の座を差し上げた。
それにしても北斎が富嶽三十六景を描いたのは70代になってからで、浮世絵画家としてデビューしてから40年以上経ってのことだ。40歳で限界を感じ人生に諦めを覚えつつあるわたしは、甘いなと思った。今からあと30年頑張れば、70代で何か人の心を打つ様な創作ができるかもしれない。きっと無いが、でも人生の可能性ってすごい。
この企画展でとくに楽しく観たのは、富嶽三十六景をしりあがり寿がパロって描いたイラスト。とくに銭湯で赤ちゃんが波を起こしている様をグレート・ウェーブに見立てているイラストがよかった。
富士山って言って思い浮かべる時、波が脳内に起こるのがとても面白いし、北斎って偉大だなとか思う。
常設展
常設展は4階。
まず目を引くのがこちら。
これは「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」を、なんとルービックキューブで再現したもの。横から見るとこんな感じ。
まさにクレイジー(褒め言葉)。こういう才能にはもう嫉妬も無い。
常設展は、結構力が入っている。
電子パネルでキャプションが見れるし多言語対応している。
また錦絵(ざっくりいうと色付きの版画)の制作過程の説明のパネルなどもあって面白かった。
とてもわかりやすい。作業工程はカラーの切り絵と近しいものがあり、切り絵をやる身としてなんだか親近感もわくものだったし、創作意欲も駆り立てられた。
そして、
絵手本を一冊ずつめくって楽しめるパネルや、
富士山探しゲームなど、来館者が直感的に楽しめるように工夫されている様に感じた。
しかし、唯一?にして最大の欠点が「ほぼレプリカ」であることである。
この「牡丹に胡蝶」も、
「富嶽三十六景 凱風快晴」も、全部レプリカ。そりゃ写真もOKですわと。
これは、正直結構な勢いでびっくりしたし残念だった。「北斎」を冠するくらいなんだから、本物もっと観たかったなあ。
ま、ネットでは酷評の嵐のようだけれど、レプリカであることを除けば全体的に頑張っている印象だった。北斎入門にもってこい。ここをきっかけに浮世絵をもっと知っていければなかなかいいところだったと思えるだろう。
そして、浮世絵はやはり良い
そう、浮世絵はやはり良い。特に今回の企画展は「グレート・ウェーブ」と呼ばれる「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」をテーマとしていたので、波の文字通り波状攻撃で涼しさがあった。
ちなみに美術館の感想をフォームで送信すると、ステッカーがもらえる。
「富嶽三十六景 御厩海岸より両国橋夕陽見」の一枚。二人で来館したのだが二人とも同じステッカーをもらった。一枚しかないんか。
さあ、外にでると、富士山とスカイツリーという光景。
よきよき。
それで帰り際大江戸線両国駅のバックに改修中の江戸東京博物館」。
早く行きたいわ。工事頑張ってくださいありがとう。
↓Xやってます
別所哲也のおはようモーニング面白い。
— mah_ (@mah__ghost) 2024年8月14日
↓Blueskyが好きです
夏休み駆け抜けた!今日は記念日でもなんでもないのにフレンチフルコースを食べに行くが、まあ旅行も行ってないのでOKでしょうと。寿司より安いし笑 明日は台風でおこもり。土曜日は出かけるんかな。日曜は安息日だろう。ということで、本当に駆け抜けた夏休みだった。体力限界まで使い切った。
— mah_ (@assa-ghost.bsky.social) 2024-08-15T06:21:59.477Z