ある日、目立たない小学生である啓は黒板に「ほうかごがかり 二森啓」と書かれていることに気づく。誰かのイタズラだろうと思い帰宅するが、夜中、不快な音に目覚めさせられる。隣の部屋からその音はしていて、寝ている母親が起きて騒いでいないのが不自然に感じ襖を開けると、通っている小学校の屋上に続いていて、無理やり押し出され、家に戻る手段を失う。気づくと、学生服のような服装になっている。
小学校には同じように学校に迷い込んできた七人の子供たちがいて、学校の「無名不思議(ななふしぎ)」を管理する仕事を負わされる。
そしてそれぞれが「かかり」として活動していくうちに……
全部で四話あり、一話二話は二森啓、三話は見上真絢、四話は緒方惺の視点で進む。全体的に、上に書いたことで分かるように怪談なので、ホラーが苦手な人は結構きつい描写があるかもしれない、特に三話と四話。
いやー。三話つらい。三話だけにつめこんでいるから、真絢の抱える苦しみが描写として深いとは言いづらいが、誰でも似たような気持ちを持ったことはあるはずで、そうだとすると結構刺さるし、「いやだー」ってなった。
四話でいろいろと明らかになる「ほうかごがかり」の本当の意味、意義。すべての小学校で同じことが起こっているという話。子どもはすべて怪物、もののけ、化け物、悪い神の生贄だという仮説。けど、一部「いや、それこうなってるから矛盾しとるじゃん」ていうところもあるが、まあ目をつぶれる範囲なのでよしとする。
「ほうかごがかり」になれて幸せだと言う惺。こういうメンタリティは持つ人は持つだろうと思った。けれど、いろんな建前や嘘や本音があって、かなり苦しいだろうなと思うし、自分なら誰かを救えると思うのも子供の描写がよくできていると思った。
いやでも普通に怖い。完結はしておらず、続きは2巻。これから読む。