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【読書感想】スロウハイツの神様(辻村深月)

 

本編は赤羽環の恋の終わりから始まる。環は代々ろくな男と付き合わない。

赤羽環は新進気鋭の脚本家だ。学生時代、有名脚本家が引退に際し次のドラマの枠を譲人材を見つけるというコンテストで見事に優勝し、そこから努力をして人気脚本家の地位を得た。そしてひょんなことから手に入れた旅館に必要な手直しをして、自分とその他自分のお眼鏡に適った人たちとも共同生活を始める。 

スロウハイツには、いわゆるクリエイター志望が住んでいる。持ち込みを続けるがデビューに至らない漫画家志望、「人の感情が欠けてない」とされチャンスをものにできない映画監督志望、自分を売り込むのが苦手な画家志望。そして(良くも悪くも)一世を風靡した超人気作家チヨダコーキとその編集者の黒木。

それぞれがそれぞれの思惑を胸に、夢に向かって、あるいは夢の中で頑張って生きている。この中で。チヨダコーキには消せない重大な過去がある。しかしその過去では消すことのできない強烈な才能もあった。作品群はチヨダブランドと呼ばれ、中高生に圧倒的人気を誇っている。大きな事件があり筆を置いていた時期が数年あるが、それを差し置いてもなお錆びついていない才能に子供達は熱狂した。

<ネタバレあり>

やや冗長な気がしてしまった。一人一人の登場人物を掘り下げて、何をしていてどんな考えをしていてどういうふうに物語が進んでいってっていうのが、丁寧すぎるという所感。大きい物語がなかなか進まずもどかしいという感想を抱いてしまう人もいるかもしれない。

ストーリーとしてはよくできていた。最後の15%くらいのところでの伏線回収とそのエピソードが胸にぐっとくる。「なるほどそうだったのか気づかんかったすげーほえーまじかいい!とてもいいです!」となる。

テーマ?「愛」ですよ「愛」

人を動かす大きなエネルギーってやっぱり愛なんだよなあ。

環は生育歴がよいものだったとはとてもいえず、ものすごく複雑な愛情の形を持っている。諦めるためにあんなことをしたり。

まあよいのよ。細かいエピソードはこのせいどうでもいいのよ(作者に失礼)。

最後、最後の方の「え、え、え」っていうエピソードが本当に最高すぎるので、読んでほしい。絶望の淵にあったチヨダコーキがどうやって救われていっtのか、それが数年以上経った今どういう気持ちになっているのか、読んでみてほしい。

そういう小説です。

テーマ?「愛」ですよ「愛」(2回目)