疲れていた。起きたが起きられない。仕方なくチョコラBBでカフェインを過剰に摂取し、元気を前借りすることとした。前借りした元気で子猫を風呂に入れた。子猫は綺麗になり、わたしはまた疲れた。
しかし休日にどこにもいかないと夫の機嫌が100億倍悪くなるのである。何と比べて100億倍かは置いておくとして。
週5日ラッシュの中会社に通って、駅まで往復30分早歩き、階段は全部歩くみたいな生活をして、土日も出かけるって体力すげぇなって思ってそう言ったら、違うんだという。
どうにも「アクティブ・レスト」というらしい。というので調べたら全然違ったけど、意味するところは、「動くことが身体にとっての休養になる」ということのようだ。つまり、夫にとっては、家でじっとしているより、外に出かけた方が(アクティブ)、身体も心も休まる(レスト)ということらしい。
たまたまJ-WAVEで現代美術館30周年記念展の話をしていたので、久々に東京都現代美術館へ向かう。自転車だと35分、電車だと徒歩を入れて45分なのだが、どうかんがえても自転車に乗る体力がなかったので電車で向かう。大江戸線は深い。
目次↓
東京都現代美術館30周年記念展 日常のコレオ
本展では、ジェンダー規範に基づく家庭から美術館のような制度的空間、ムンバイや沖縄などの都市空間に至るまで、異なる場所における人々の営みや身振りに着目し、変容をもたらす主体性の現れを探求します。東京でのリサーチをもとに制作された新作も多数含む本展は、人々の日常を織りなす場所に内在する文化的、政治的、経済的諸力の相互作用を掘り下げながら、しばしば社会構造に組み込まれた見えない暴力や抑圧の力学を可視化し、その影響を浮き彫りにします。同時に、そこに生きる人々の経験、記憶、切望に光を当て、従属を拒み逸脱する抵抗の身振りと、それを生み出す創造性やユーモアについての洞察を与えてくれます。
ということで、現代美術をどう鑑賞すればいいのかいつも迷うわたしではあるのだが、今回の展示はまあ「日常の」とあるとおり、結構生活に根ざしているなって思える展示が多くて、ある意味ではわかりやすかった。各アーティストについてもくわしいキャプションがついていたし、作品についての解説もたくさんあり、それを見てから作品を鑑賞すると思うところがたくさんあった。

中でもわたしが感銘を受けた(言い方)のは、FAMEMEの部屋だ。
FAMEMEはマレーシアの生まれで台湾を拠点に活動しているアーティストで、今回の展示では、ドリアン農家の子孫であることから、さまざまな自身の背景のモチーフとしてドリアンを用い、さまざまな芸術活動を行っている。
本展示では、立ち上げた音楽レーベルTHORNITUREでフィーチャーしている日本を拠点とするラッパー、Moment Joon、なみちえ、DANNY JINの3人とコラボレーションしたMVを展示している。
FAMEME自身は、ディアスボラでありクイアでもあり、そうしたマイノリティの視点をドリアンをモチーフにして主張しているアーティストということらしい。
とにかくMVがかっこいいので足を運んで見てほしい。また、ドリアンをマイノリティのモチーフとしたのがなるほどと思った。トゲトゲでくさくて嫌われ者だけれど、中を開けて食べてみたら濃厚な甘味を特徴とした食感でカスタードクリームとたとえる人もいるほどだという。
このくらいわかりやすいと現代美術も鑑賞しやすい。
他にもいろいろ紹介したいところではあるが、ドリアンの印象があまりに強すぎてイマイチそれを超えるインパクトのものをご提供できない笑

自由に寝ていい展示ならあった。寝る人もまた作品の一部となれるわけである。心の中で丁重にお断りして離れたが、寝ている人もいた。実際作品の中に入れる機会ではあるので寝てみてもよかったかなと、今になって思う。この写真は2階から撮った写真。
現代アートは政治的なメッセージが強くてわたしには刺激が強いのだけど、今回の作品たちは、日常に根ざしていて心に入ってきやすかった。
「日常のコレオ」というタイトルの本展示。コレオとはコレオグラフィー(振り付け)の略語。
制度や慣習、社会的規範といった目に見えぬ力によって規定される言動、そしてそのような管理や統御に対する批評的な応答の両方を表している。
https://www.tokyoartbeat.com/articles/-/choreographies-of-the-everyday-mot-report-202508
大きな政治活動や何かへの反対運動というより、もっと日常に根ざした、日常の一部になってしまっているある事象なり体験なり言動なりが、どのような理由で規範となってきたのか、そしてそれに対してどう抗うのかなどが表されていて面白い展示だった。
「笹本晃ラボラトリー」
この人は変態。はい一言で表すとそう。
笹本晃は、ニューヨークを拠点に活動するアーティスト。イギリス留学中、英語で自己表現をうまくできないもどかしさから、路上で身体表現を使ったライブパフォーマンスをするようになった。その後アメリカにわたった。はじめは数学者になるつもりだったが、なんだかんだアートの道に進むことになった人ということだ。
なので作品がぶっとんでいるのにどこか理屈っぽく、なんだか「理解可能」なレヴェルまで降りてきてくれている気がする。
ほぼすべてがインスタレーション作品で、作品の中を進んでいく感じがとてもよかった。

こういう人が藝大を首席で卒業するんだろうねとおもったが、日本で教育受けた人じゃなかったと笑
この写真の作品は、40歳を過ぎ加齢を意識するようになり、そうした年月を発酵にたとえ表現したもの。
なんかさー、こういうのってインスタレーションじゃなくちゃだめなんだろうなと不意に思った。絵画じゃだめで、映像作品でもダメで、こうした没入できる部屋ごと展示になってる、みたいのじゃなくちゃ表現しきれないんだろうね。
いやーとてもよかった。ということでおすすめの展示です。ほぼ人いませんしね。
以上で、
夫の言うアクティブ・レストになったのかは分からないが、楽しく現代美術の展示を二つ見ることができた。
美術展は高いと思う人もいると思うが、決して高くないとわたしは言いたい。早ければ1時間もかからないで見終わってしまう展示もあるが、それは見る人自身でコントロールできることで、まあ混雑を極めてる展示なら仕方ないが、こうしたガラっ空きの展示だったら、作品を見てから思う存分ゆっくりキャプションを読んで内容を咀嚼し、それからまた作品を見てより深く理解する、なんていう見方もできるし、現代アートの場合映像作品が30分とかあるやつもあるから、時間がある人なんかはずーっと見てればいいんだよ。
はい、わたくしからは、以上です。
