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【読書感想】天久翼の読心カルテ 神酒クリニックで乾杯を / 知念実希人

 

すでにアニメ化されドラマ化も決定されている「天久鷹央の推理カルテ」シリーズ天久鷹央の兄、翼(精神科医)が務める神酒クリニックに、あるとき外科医が面接にくる。いわゆるエリート経歴を持つ九十九勝己は、当直中に泥酔し急患の手当をできずに死に至らしめたというカドで病院を終われ、無職で困っていた。どこかに再就職しようにも、週刊誌に名前が出てしまったこともあり採用してもらうことができない。
そこで、旧知の知人を頼り、そこから恩師を頼り、その紹介で神酒クリニックの面接を受けることになったのだ。

神酒クリニックは、驚異的な手技で完璧な主日を行う院長の章一郎、産婦人科と小児科を担当するゆかり、精神科医の翼、内科医で麻酔の調整なども行う黒宮、看護師の真美で運営されている。誰にも言えない、他言無用、超秘密の手術(たとえば国家の要人、経済界の要人などだ)が持ち込まれる。手術をした後は、さらに超秘密主義の病院のベッドを契約して借入れ。患者の回復と回診を行っている。

しかし、神酒クリニックの仕事はそれだけではない。

とある資産家から、ある事件の真相を探ってほしいと依頼された面々は、意気揚々と!

 

<感想>

鷹央シリーズはもう追うには既刊が多すぎて諦めかけていたら、新シリーズでていますやんと帯ついた。

しかし、もっと翼に無双してほしかった、タイトルキャラだし。どっちかっていうと章一郎の方が魅力的でかっこよく描かれていてちょっと残念だった。

わたしは天才が無双する作品が割と好きだったりするので、このように尖った天才とか変態とかが、しかしまともにひとつひとつ(しかしむりやり)課題をクリアしていって犯人に近づき、騙し合いをしていく様子は見ていて面白かった。

まあ、雪子と教授が怪しいのは最初からむんむんだったんだけれど。こういうのはお約束でも読ませる作品じゃなきゃダメだと思うのでそこは作品の減点ポイントにはならないだろう。

まああ読んで何かを考えたり思い詰めたりする作品じゃないので感想と言ったらこのあたりなんだけど、ずーっとクリマックスみたいな展開は映像化を見越してるのかなあとか思ったり。このへん当然意識的にやっていると思うけれど、そこがファン以外から敬遠されたりする所以なんかもねとも思う。

あと、筆が早いこともあるとおもうのだけれど、文庫化でだいぶ加筆修正されるから、知念さんの本は文庫落ちまで待った方がいいかもしれないなとかちょっと思っちゃったよ笑