誉田哲也の「武士道」シリーズ最終作?(でも続編読みたい)
↓ここまでのシリーズの感想文は↓
【Week2】今週の読書(「武士道シックスティーン」/ 誉田哲也、「われはロボット」/ アイザック・アシモフ) - ゆく河の流れは絶えずして、
【読書感想】武士道セブンティーン / 誉田哲也 - ゆく河の流れは絶えずして、
【読書感想】武士道エイティーン / 誉田哲也 - ゆく河の流れは絶えずして、
武士道シックスティーン、セブンティーン、エイティーンの三作では、香織、早苗の二人+レナの真剣な竹刀のぶつかりあいと、その裏にある人間ドラマ、武士道とはどういうことか、剣道とはなんなのか、などなど描かれてきた。
本作は、大学を卒業した香織と早苗の視点が交互に動きながら語られる。
大学を卒業して早苗は母校である東松高校の事務に就職し、桐谷道場の内弟子である沢谷灮矢と結婚し順風満帆な社会人生活をスタートさせる。その一方で、教職を目指していた香織は大学も教職の単位を取ることができず一般就職もできず、桐谷道場で剣道を教えて暮らしている。といっても、そもそも香織が学生の自分から桐谷先生の心臓の具合が悪く、代わりに沢谷と香織で生徒たちの稽古をつけていたので、その延長線上ではあった。しかしからっきし事務のできない香織の代わりに、早苗は簡単な道場の事務や桐谷家の家事全般などをになっていた。
沢谷は当然道場をつぐ気でいたが、桐谷先生からは警察としての使命を全うしろと言われる。そこで、香織に桐谷道場のすべてを教え込むことに決めた。その教えとは……
<感想>
今回は家族小説とも言える……のか?今思いつきで書いた。
しかし師範代として働く香織、桐谷先生の内弟子である沢谷、と結婚し桐谷家の家事を引き受ける早苗、という狭いサークルの中でそれぞれの思惑があり、読んでいてひりひりすることもあった。これまでのただの青春小説ではなく、自分の仕事や家庭について振り返ったり、自分の持っている死生観について考えたり、何か命を賭してまで努力しなければならないほどの宿命とは何かとか考えたり、「わーいたのしー」っていうだけの小説ではなかった。
深みがあった。
正直読むまでは、蛇足になっているのではないかと思った。エイティーンが見事なクライマックスだったからだ。
だけれど、青春小説という殻を脱いでしかし永遠に青春しているとも言えるので青春小説でもあり、奥行のある、しかし読みやすい小説だった。
「歴史修正主義」とか「自虐史観」とか出てきた時は、ドキドキしちゃった。え、持論展開しちゃうのかなとか思って。ある程度展開はしていたと思うけれど、軟着陸しててよかった。ドキドキしちゃった(2回目)。
さいごジェフと香織は婚約するが、桐谷道場をどうすんだ。と思ったらまだ4歳の英斗につがせる気らしい笑
でもやはり香織についでほしい。そして武士道フォーティとか出して欲しい。
今日ちょっと元気なかったのだけれど、気負わず読めて、かといってかなり厳しい人生のことも書いてあって、なんかいい読書したなあと思った。
わたくしからは、以上です。
