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【読書感想】天久翼の読心カルテⅡ 淡雪の記憶 / 知念実希人

 

神酒クリニックには、他の病院やクリニックでは居場所がなかったような名医が集まっている。その一人が天久翼で、翼は人(や動物)の表情筋や瞳孔の動き、細かな身体的反応を読み取り、心を正確に把握することができるという「妖怪」じみた特技を持つ精神科医だ。

神酒クリニックは、秘密を厳守しなければならない超VIP(国会の間に手術を受ける閣僚とか、芸能人とか、大企業の社長とか)の診療にあたる。場合によっては警察の捜査などよりも守秘義務を厳守する。

あるとき、梅沢化粧品の梅沢社長より緊急できてほしいという要請が入る。クリニックの医師全員で現場に到着すると、リビングにはずぶ濡れで頭に傷のある女性が倒れていた。慌てて全員でバイタルや傷の状況などを調べ命に別状がないことを確認する。翼が読心術を使って梅沢社長を言いこめていたところ、倒れていた女性が眼を覚ます。しかし自分の名前を含め何も覚えていない、全生活史健忘の症状を見せた……

 

<感想>

翼くんファンだったのでショックな巻でした笑 翼くん…人のものになってしまうのね。

はい。前作より翼の存在感や必然性が増し、「天久翼の読心カルテ」という名前に相応しい小説になっていた。

ミステリ小説だから仕方ないんだけど、読みながら「でも美鈴さんどうせ自分から爆弾作ったんでしょ」(一味ではなかったが)とか、いろいろ見透かして読んでしまってあんまりいい読書にならなかった(自分のせいかな、それともミステリってそう言う答え合わせを確かめるものなのかな)。

また、キャラ小説なのはいいんだけど、アニメ化ドラマ化を見据えた作りになってるなあっていうのもなんかなあ。

いやでもキャラは全員魅力的に描かれていて、それぞれ映えるシーンもちゃんと与えられていて、面白かった。物語の筋も、「でしょうね」って感じではあるんだけど、読み物としてちゃんと楽しく読めるものだった。

知念くんは、森博嗣西尾維新を意識しているのかもしれないけれど、作品作りすぎだね、短期的に。そのため、手癖になってる。もう思い切って天久兄妹シリーズは閉じて、初期の頃のようなやつをどしんとした作風で作って、直木賞とか狙って、のちに残る小説家を目指すのがいいと思う。

なんかラノベミステリ好きから消費されてるだけでもったいない。心からそう思うんです。

 

わたくしからは、以上です。