遠心分離機

文体の練習

建築好き、照明好きは急げ!東京都庭園美術館で理想の邸宅を味わうA to Z(5/12まで)

ゴールデンウィーク終盤の5月5日。目黒にある東京都庭園美術館に行ってきた。ここは旧朝香宮邸を利用した美術館なのだけれど、今回、展示室としてではなく素のままの朝香宮邸そのものを展示する企画「開館40周年記念 旧朝香宮邸を読み解く A to Z」が行われている。

家全体がアール・デコ調。アール・デコの説明はできないけど、アールがオシャレなのは確かだ。

A to Z

展示されている各部屋ごとに、「A」から「Z」のいずれかの文字から始まるテーマがつけられ、それがAからZまで26個分ある。そしてその一つ一つに一枚一枚のカードが作られており、観覧者はそれを集めてまわることができる。たとえば書斎には「R」が割り当てられ、カードには次のようなことが書いてある。

ROTATING DESK 回転する机

隅の飾り棚や柱の配置等で、正方形の部屋を円形に見せています。また、ドーム型の白漆喰天井に間接照明を使い、求心的な空間を造っています。
この部屋は、アンリ・ラパンが室内装飾を手掛けました。デスク・椅子・電話台・絨毯の家具一式もラパンのデザインで、絨毯の隅にはイニシャルのHRのモノグラムが織り込まれています。
デスクは台座のレールが回転する構造で、向きを自由に変えられるようになっています。

すべての部屋やスペースにこの密度の説明が与えられる。そしてこのカードは最終的には製本スペースで一冊の冊子にすることができる。

見どころ

さて、この旧朝香宮邸はオシャレ・オブ・オシャレで家を作るときに真似をしたい造形ばかりなのだが(無理なのだが)、その中でも床と照明がすばらしかった。
少し見ていこう(他のお客さんの顔が入らないように写真を撮ったので構図がおかしかったりしても見逃してほしい)(全部は載せないのでぜひ足を運んで空気ごと味わってほしい)。

ヘリンボーンのゾーンと長方形、正方形に組んだ床。

変わった模様をあしらった床。

この不思議な物体はタイルの一種として分類されるらしい。



モダンというか今でもオシャレバーにありそうな白黒チェックの床。

といった具合に、さまざまなタイプの床がわたしたちを迎えてくれる。次の家のヒントになりそうなものだけれど、いかんせんこれらのタイプの床はお値段がお優しくないので、こうやって見て愛でるわけである。

照明

照明もいちいち素晴らしかった。

圧巻の連続照明。

ゴージャスを体現した照明。

 

なんかエロい照明。エモいじゃなくて、エロい。

レースのようになっているのが光の見え方を微妙にずらして暖かみがある。

天井の六芒星とのコントラストがかっこいい。

みんな大好きステンドグラス。

他にも見所はある

エッチングガラスのドア。

レトロでかっこいい内装。

複数箇所にある魚のモチーフ

排水溝の蓋。

とにかく何もかもがおしゃれでかっこいい(語彙力)。

急げ!

というわけで、素のままの状態で見れるのが5月12日まで。かなり混んでいてなかなかゆっくり鑑賞というわけにもいかないが、建築好きや照明好きは、今見ておかない手はない。ここに載せた以外の床と照明も、かなり年季の入ったかなりオシャレでレトロでエモかったりエロかったり。
お値段以上、自信を持ってお勧めできる企画。ぜひ多くの人に足を運んでいただいて、この高揚を共有したい。

 

www.teien-art-museum.ne.jp