2024-01-01から1年間の記事一覧
先週くらいだろうか、しつこく居座っていた盛夏が終わりようやく晩夏がきた。そして今週、ようやく秋の入り口に差し掛かってきた。カラリとした空気、少し和らいだ日差し、涼しい日陰、風が街中を駆けめぐる。気分も軽くなり、フットワークがふわふわだ。ホ…
「春気限定いちごタルト事件」「夏季限定トロピカルパフェ事件」に次ぐ小市民シリーズ第三弾。 中学まで、知恵を働かせすぎて人を出し抜いて真相を見抜き、迷惑がられてしまうことが多かった小鳩常悟朗と、復讐に楽しみを見出しやはり人とトラブルを抱えてし…
Xで「#名刺代わりの小説10選」というハッシュタグがあり、自分も久々にポストしてみた。その作品が次の10作。 再掲す好き好き大好き超愛してる。/舞城風の歌を聴け/春樹恋に至る病/斜線堂恋文の技術/森見横浜駅SF/柞刈湯葉カラスの親指/道尾パラークシの記憶…
「春気限定いちごタルト事件」に続く、小市民シリーズ第二作。 中学まで、知恵を働かせすぎて人を出し抜いて真相を見抜き、迷惑がられてしまうことが多かった小鳩常悟朗と、復讐に楽しみを見出しやはり人とトラブルを抱えてしまっていた小山内ゆきは、二人で…
「ある女王の死」「妹の夫」「雌雄の七色」「ワイズガイによろしく」「ゴールデンレコード収録物選定会議予選委員会」の五作からなる短編集。初出は全部小説推理。 「ある女王の死」は、最恐の高利貸し榛遵葉の死体の傍に置いてあるチェス盤から物語が展開す…
5人の著者が「脱出」をテーマに書いたミステリー小説集。 作品は、次の5作。阿津川辰海「屋上からの脱出」、織守きょうや「名とりの森」、斜線堂有紀「鳥の密室」、空木春宵「罪喰の巫女」、井上真偽「サマリア人の血潮」 読んでいて、わたしの中で「ミステ…
銀座。それはお金持ちの街。身なりの良い人が、上品に歩き、高貴な服を纏い、豪奢なディナーを食す。こんな普段蛮族の地をふらついているわれわれが銀座に行ってどうすると言うのだ(いやけっこういきますけどね)。金、金が足りない。しかしそんな人に朗報…
八雲の母は、身体が徐々に塩に変わっていく「塩化病」を患っている。小学3年生の八雲は他人の痛みを自分の痛みとして感じてしまう幻肢痛のアレンジ版みたいな特性があり、母の感じる痛みやあった場所に無い腕のその空白を痛みとして感じてしまう。ある日その…
小鳩常悟朗は高校一年生。同じく高校一年生の小山内さんとは互恵関係にある。二人は現状に満足して何かを深く追わない執着しない「小市民」であろうとしており、そのための言い訳としてお互いを使おうという取り決めをしている。 しかしそんな二人の前に、高…
マイクル・コーニィ「ハローサマー、グッドバイ」の続編。だが、前作を読んでいなくてもまったく問題なく楽しく読める。ただ、前作のラストのネタバラシがあるので、気になる方は「ハローサマー、グッドバイ」から読んでみた方が良い。 さて、本作。 17歳の…
30歳の多田は古本屋の店主。いつものように店に出ていると、女子高生に万引きされる。捕まえて名前を確認し、なぜそんなことをしたのかと問うとその女子高生岬は「名前を覚えてほしかった「同じ本を読みたかった」というようなことを話し、「好きです、結婚…
目次はこちら ↓「表示」を押してね↓ 目次はこちら トラベラーズノートの復権 手帳会議の結果(かいつまんで) トラベラーズノートに挟むほぼ日weeksの中身 月間ページ 週間レフト 巻末のメモページ My 100 こうして一元化に成功した トラベラーズノートの復権…
手帳シーズン到来 世の中は手帳シーズンである。9月には、ほぼ日手帳、トラベラーズノート、自分手帳など人気の手帳の2025年版が次々に発売され、YouTubeには「手帳会議2025」の動画が溢れ、もう意味がわからない。ほぼ日の絡んでくる率の高さが半端ない。頑…
手帳シーズン到来 9月も下旬となり、来年の手帳群が出揃ってきた。YouTubeなどでも、ほぼ日手帳、トラベラーズノートなどの開封動画、裏抜け検証動画などがわたしの「おすすめ」を席巻し、もうすっかり2025年手帳会議動画が満ち満ちている。みんなもう来年の…
子規冴昼は霊能者……のように振る舞う。仕掛け人はサークルの後輩だったマネージャーの呉塚要。人々の心を掴んでやまない子規という存在は、詐欺師である要によって見出された唯一無二の才能ということだ。二人は手を組んで、子規は霊能者を装い、要の指示に…
人気小説家遥川悠真が失踪した。失踪事件受けて遥川悠真の自宅を刑事が捜索していると、そのウォークインクローゼットを見て驚く。そこは、赤いランドセル、クローゼットに掛かったブレザー、など少女が過ごし育っていった様子が見て取れる一角となっていた…
*この作品は、「ナゾノベル」という小中学生向けのシリーズの一作。漢字にルビがふってあったり、小中学生が知らないような単語(東西冷戦、素数、など)は注釈がついていて理解できるようになっている。 私立塀戸中学に通うごく普通の中学生和登尊の前に現…
理不尽に集められたほうかごがかり。 1巻と2巻の感想は↓↓ nagainagaiinu.hatenablog.jp nagainagaiinu.hatenablog.jp ついに、二人になってしまった啓と菊。啓は惺がしようとしていたことを全て引き受けると、また、すべての無名不思議の担当になると太郎さ…
理不尽に集められた七人の「ほうかごがかり」第2巻は第五話から第七話まで。 第1巻の感想などはこちら。 nagainagaiinu.hatenablog.jp 第2巻はしんどかった。というかこの小説しんどい。推しがどんどん……ふえぇ。 第五話はイルマ、第七話は留希、惺……。ええ…
ある日、目立たない小学生である啓は黒板に「ほうかごがかり 二森啓」と書かれていることに気づく。誰かのイタズラだろうと思い帰宅するが、夜中、不快な音に目覚めさせられる。隣の部屋からその音はしていて、寝ている母親が起きて騒いでいないのが不自然に…
野生時代新人賞を受賞した岩井圭也のデビュー作。短めの13章からなる。各章で視点人物と時系列が変わるので、そういうのが苦手な人は一定数いると思われるが、まあよき物語なので読んでみてほしい。 物語は、協和大学理学部准教授熊沢勇一が、元研究室のボス…
「ミニカーを捨てよ、春を呪え」「星が人を愛すことなかれ」「枯れ木の花は燃えるか」「星の一生」の4作からなる短編集。 レーベルがジャンプジェイブックスなのもあって、全体として、平易でキャッチーな文章。「回樹」や「本の背骨が最後に残る」をイメー…
常々思ってきた。年寄りくさくはなりたくない。常々というか、最近特にそう思うのかもしれない。というのは、年寄りである自分がそう遠くなくなった気がするからだろう。40歳。あと20年後には60歳である。前期高齢者の仲間入りだ。20歳からの20年を思うと、…
先日Netflixで話題の「地面師」というドラマを見た。流行に乗ったのである。大変面白かった(語彙力)。 www.youtube.com 主人公辻本拓海(綾野剛)が地面師になった理由は割と序盤で分かったのだけれども、そうだから苦しかったし、「そうじゃないだろ」と…
岡部杏里さんのファースト作品集。見開きで四首、計百首が掲載されている。 めちゃくちゃよかった。 多くの単語をひらがなに開き、平易な言葉で誰にでもわかるように、しかし誰でも簡単に切り取れるわけではない感情を歌にしているという印象を受けた。 「ご…
酷暑をなんとか超えた気がする今日この頃、しかしながらまだ暑さが厳しい東京の街を、わたしたちはひたすら歩いていた。オフィス街の休日の静けさはしかし、なんだか人類が滅びた後の街を歩いているようで楽し……くないわ、暑すぎだわ。 ということで飯田橋駅…
スプラトゥーンというゲームがある スプラトゥーンというゲームがある。端的に言うと人間に擬態したイカが敵と味方に分かれ、インクの入った水鉄砲などで陣地を取り合うというゲームだ。 www.nintendo.com WiiUで発売されて以降、現在の最新ソフトはスプラト…
「台風一過」という言葉を最初に聞いたとき「台風一家」と誤変換した人は結構いると思うし、そんな一家がいたら素敵じゃないかとも思う。しかし違うのだ。台風は一過。翌日にとんでもない日差しと暑さを発揮する。37℃である。 あまり遠くに出かけたくならな…
2009年11月号から2013年5月号までの別冊文藝春秋に掲載されたミニエッセイ。毎回、「キュン」ときた場面についてイラストと少しの文章で綴ったもの。 最近読書をしていなかったので、復帰のために何か軽いものをと手に取った一冊。内容は無いよう。失礼……。…
夏である(遅い)。夏といえば花火というのは1億2,500万人の総意に相違ない。わたしとしてもそこに異論は無いというか積極的に支持する。夏は花火をしたいし見たい。 2年半前にイーストトーキョーに転居してきた。ブログの読者さまなら知っていると思うがホ…