【読書感想】入院中(10/31-11/29)に読んだ本の一言感想とリンク

今年も無事、2回入院してしまった。といっても一月ずつなのでだいぶ進歩した。一年の6分の5は家にいれているわけだから。

さて、では今回も、読んだ順に一言感想と記事へのリンクを貼り付けていくので、「なに読んだのかしら」と気になる方はチェックしてみてほしい。
ちょっと今回読んだ本どれもめっちゃよくて、どれも大体おすすめなので、ざーっと見てみてもらえると嬉しい。

とくにおすすめの本には☆をつけます。

 

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1 ツミデミック / 一穂ミチ

パンデミックを背景に罪を重ねていく人たちを描いた短編集。後半3作はなかなかにハートウォーミング(さざなみドライブは違うかもだけど)、わたしはその3作が好き。人の気持ち悪い部分とか、醜い部分とか、結構適当な部分とか、合理化してしまう部分とか、優しい部分とか、強い部分とかが、描かれていてよかった。

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2 ずっとイケメンを追いかけていたかったけど、そうもいかないよ現実は / 竹内佐千子

著者の竹内さんと編集のM田さん金持ってるな、貯金なさそうだなとか思った。

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☆3 アメリカン・ブッダ / 柴田勝家

SF短編集。全作めちゃくちゃ面白い!ほんとすごい面白い!宗教学や仏教、あと物理学の知識があるとより楽しめると思うけれども、知らなくても全然面白い。

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4 バッタを倒すぜ、アフリカで / 前野ウルド浩太郎

「バッタを倒しにアフリカへ」の続編。前作より、より研究の内容に踏み込んだ内容で、エッセイとしても面白いし、プチ学術書としても面白い。研究者としてサーバイブしていくことの難しさとか、胃がキュッとなるわ。

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5 ウは宇宙ヤバイのウ / 宮澤伊織

面白かった。ドタバタ系のライトなSF小説。SF好きだと元ネタがわかるパロディが結構あるらしいが、知らずとも本作だけで十分に楽しめる。タイトルは「ウは宇宙船のウ」のパロディ。オチがめちゃくちゃなのに大団円、っていうすごい楽しい小説。

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☆6 横浜駅SF 全国版 / 柞刈湯葉

横浜駅SF」の前日譚と番外編という感じ。この作品だけでも面白く読めるけど、「横浜駅SF」を読んでる方が面白いと思う。横浜駅が自己増殖して本州全土を覆っているという世界観。この一言で気になった方はぜひ手に取ると楽しい時間を過ごせると思う。

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7 人間たちの話 / 柞刈湯葉

SF短編集。すべての作品を楽しく読んだ。発想がいいのもあるんだけれど、この作者の描く人間って、なんかやさしくてあたたかいのよなあ。なんか無害というか。この作者のことわたし絶対好きと思うし、みんな好きと思うと思う。いろんな角度からの短編集。

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8 俺ではない炎上 / 浅倉秋成

これありうるよと思いながら読んだ。逃げる主人公に対して追ってくる人々、警察。ハラハラドキドキさせられ、最後のオチはなんかなんだろうこれ、悲しいとか優しいとか苦しいとかがいろいろ混ざった気持ちになった。

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9 自転しながら公転する / 山本文緒

貫一がひたすらかっこいい。ひたっすらかっこいいのを楽しむ小説。のみならず、都の立場に立ち都の気持ちに寄り添うと、また違う感想になってくる。いろいろ煮詰めた感じの小説。

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10 君の顔では泣けない / 君嶋彼方

入れ替わりものなのだが、普通の入れ替わりものではない。読めばわかる。人が他人の身体で生きていくことで気付くこと、大切にできること、しなくてはならないこと。自分も他人の身体を借りて生きていると思うようにすれば、自分を大事にできるのかもしれないと思った。

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11 体育館の殺人 / 青崎有吾

きゃー楽しい。高校で起こった密室殺人、それを解決するのは!わたしの好きなタイプのミステリだった。探偵役がかっこかわいい。でもミステリって実はみんなこのタイプなのか?とかも思う。
続編があるので読んでいこうと思う。面白かった。

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12 ポンコツ一家 / にしおかすみこ

認知症、姉ダウン症、父酔っ払い、本人一発屋芸人。にしおかすみこがあるとき実家に帰ると実家が大変なことになっていて、戻ってくることを決意。生活を立て直していくべく紛争するが、家族はなに知らぬ顔。でも愛があるのよ、この作品には、この家族には。

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13 宇宙に花火を / 松井尚斗

いい人と嫌な人の対比が結構ぎゅっとつまっていた。Youtuberとして成功していく過程をもうちょっと詳しく読みたかったけれど、かなりハートウォーミングでちょっとした良作。

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14 きょうも芸の夢を見る / ファビアン

芸人(志望)が主人公のショート・ショート集。芸人(志望)って、こういうふうにすごしてるんだ、こんなことを考えているんだと興味深く読んだ。

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☆15 #真相をお話しします / 結城真一郎

ミステリ短編集。めーっちゃくちゃ面白かった。人間のダメな部分、闇の部分がきちんと描けていて、どれも作品として完成度高くレヴェル高い。怖いのよ。怖いの。

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16 丸の内魔法少女ラクリーナ / 村田沙耶香

短編集。可愛らしいタイトルと装丁だけれど、しっかり村田沙耶香。いろんな角度から、「じゃあこれってどうなの?」「どうあるべきなの?」という問いを投げてくる。自分の中で、うーむと考えさせられたりして、やっぱ実力あるわと思った。

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17 月まで三キロ / 伊与原新

全部心温まる短編集。気象学、地学の知識がからむ小説って今まで読んだことないなと思って、面白く読んだ。中学とか高校レヴェルの知識で読めるので、構える必要もなく。ほっとするような作品が多く、肺腑を抉られるような読書の合間にちょうど良さそう。

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18 冬季限定ボンボンショコラ事件 / 米澤穂信

小市民シリーズの完結編。事故に遭って動けない状況で断片を組み合わせて事件の真相に迫っていく。作者がここまで小鳩くんを追い詰めるんだと、苦しくなった。ひたすらに小佐内さんがかっこいい。二人の馴れ初めが分かって、それも嬉しかった。

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19 神様の定食屋 / 中村颯希

神様に祈った結果がこんなぶっとんでる小説他にあった?ってくらい最初度肝を抜かれる。ハートウォーミングな作品で、料理の描写もとても美味しそう。主人公も妹も頑張って生きていってほしいが、休職中の主人公がその後どうしたのかとかも気になるし、続編も読んでいきたい。

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☆20 トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー / ガブリエル・セヴィン

こういう小説を読みたかったんだよというのが最初の感想だった。結構長い時間軸の小説で、登場人物たちの心の葛藤とかがギリギリ音がなるようなくらいまで描かれていて、サムのひたむきな優しさには涙が溢れる。

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☆21 満願 / 米澤穂信

ミステリ短編集。めちゃくちゃ完成度高い。全部の作品が緻密。重たくて、怖い。人の心の怖い部分や倫理にもとる部分なども描かれていて、重厚感のある短編集。いやーこれ怖かったほんと。どれもドキドキハラハラしながら読んだ。

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22 廃遊園地の殺人 / 斜線堂有紀

オリジナル版から、ほぼ全文書き直したらしい。斜線堂有紀は偏愛しているので公平な感想が書けないが、やっぱり面白いし好きだと思った。限定された中でキャラクタを活き活きと描けて、読んでいて楽しい。いや楽しいワクワクする作品ではない。殺人事件だから……

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23 屋上のテロリスト / 知念実希人

25万部売れるほどかと言われると疑問だけれど、まあ面白かった。知念実希人だしねー。

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☆24 フラッガーの方程式 / 浅倉秋成

浅倉秋成の二作目の長編。今のイメージと全然違う、ドタバタ恋愛コメディ。めちゃくちゃ楽しく、面白い作品だった。ポップでキュートで、ときに切実で。フラグを折りたいのに折れず、立てたくないのに立て、どんどんドタバタ進んでいく中で、全部が伏線。最後は感動。やばい。

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25 スフィアの死天使 天久鷹央の事件カルテ 完全版 / 知念実希人

小鳥遊と鷹央のやりとりのテンポが楽しかった。小鳥遊視点なので、小鳥遊と一緒に、鷹央の一挙手一投足に振り回され、ハラハラドキドキしながら読み進めていった。読んでいるうちに、小鳥遊もそうなんだけど、鷹央を大好きになっていく。シリーズの続刊も読んでいきたい。

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26 マリコ、うまくいくよ / 益田ミリ

現代OLホラーの金字塔益田ミリの作品。本作はホラー色はうすいものの、うすらさむいものがあり、胃がぎゅっとなること必至だ。

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ちえなみき行ってみたいな。

mah_ (@nagainagaiinu.bsky.social) 2024-12-06T08:19:06.363Z

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手帳を一元化すると言ったな、あれは嘘だ。【2024年第5回手帳・ノート会議】を経て、各手帳の使い方。

手帳は一元化すべきだと思った。

手帳は一元化するべきだと思った。情報は一つにまとまっていた方が取り出しやすいし、そばに置いておくノートが一冊の方が楽だからだ。そして、人生の全てが詰まったノートができるのがいいと思う。それを見れば、わたしのすべての人生がわかるような。

しかしわたしには欠かせない2つのノートがある。
一つは、行動記録(なんちゃってCBT)用のノンブルノート、もう一つはモーニングページ用のSoooafだ。行動記録は医療者に見てもらうノートなので独立させる必要があるし、モーニングページを普通のノートに組み込みたくはない(ハローダークネス、マイオールドフレンド)のだ。

なので、厳密な意味では一元化はできない。しかし、それ以外を一元化しようと思い、トラベラーズノートにほぼ日weeksと無地のトラベラーズノート純正リフィルを挟み、上記の2冊以外のノートをすべてこのトラベラーズノートの中身に集約させようと試みた。

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ほぼ日weeksとトラベラーズノートを使った手帳一元化の問題点

しかしだよ。
問題点がいくつもあった。

ほぼ日weeksのメモページやトラベラーズノートの純正リフィルは幅が狭いし、押さえておかないと180度パタンと開かない。このことから、ぼんやりした頭の中をぼんやりしたなりにドドドっと書きつけての一人ブレストにまったく向いていない。わたしは困ったり迷ったりしたときには一人ブレストをやることにしているので、これは困った。何か解決策が必要である。どうしよう。

っていうか、そもそも手帳・ノートの一元化って必要?(突然売る喧嘩)。
いや、いらんやろ(そして自己解決)。

第5回手帳・ノート会議

ということで第五回手帳・ノート会議を急遽行った。

無職に一元化は要るのか

利便性的な意味だけで話す。

わたしは無職なので、家にいつもいる。土日は出かけることが多いが、ウィークデーはカタツムリでももうちょっと外に顔出すよ?くらいの勢いで自宅に篭っている。
そう、一元化してどこでもすべての情報にアクセスできる、ノートのすべての使い方を網羅できる、そんな必要は無いのである。そう、だから、ノートは複数冊使いでいい。なんならどうやったって3冊はマストなんだし。

要件定義

ということで、0ベースで考えます。
何かしらで管理したいことをまずは挙げていく。

  • 家計簿
  • 予定
  • to do
  • ミニ日記
  • 犬の最後の記録
  • 目にしたり調べたりした情報
  • 年間、月間の引き継ぎと設定した目標
  • その他メモ
  • チケット貼りたい
  • 何でもノート(一人ブレストからブログや創作のアイデアなども)
  • 入院中ノート(各入院につき一冊。主には読書記録)

デジタルで管理するのがいいこと

家計簿、予定、to do、調べた情報などはデジタルで管理すれば手間がアナログより全然かからなくなると思う。

家計簿、予定、to do

家計簿はマニーフォワードを使っているのでもう少しルーティンとして覗くようにしていく。
予定やto do。家族の共有カレンダーはtime treeを採用しているが、そこに書くような内容じゃ無い細かい個人の予定や、to doはGoogleカレンダーを使っていく。

調べた情報

調べた情報については、今時全部インターネッツなのでNotionに蓄積していくのがよかろうかと。手書き派の主張としては「情報をそのまま貼り付けるのでは無く、要約することによって理解が深まる」ということが挙げられるが、わたしは断固「情報は量だ」と主張する。とにかく貯めていけば、いい情報が眠っているので、あとでゆっくり掘り返せばいいだけだ。
唯一弱いとすると、関係ない情報と情報がリンクされにくいという点。
しかし何度でもいうが、わたしは無職なのだ。仕事のアイデアが家庭の日記から発想されるなんてことは金輪際無いのである。なのでこの弱点は無視する。

アナログで管理したいorした方が楽なこと

日記、犬様の記録、各年各月の引き継ぎ等、なんかとっておきたいメモ

日記、犬様の記録、各年各月の引き継ぎ等、なんかとっておきたいメモ(例えば病院で言われたこととか)は、ほぼ日weeksで管理する。普段使うのってこれらのことがほぼ全てなので、そういう意味では集約してはいる。

チケット貼るノート

チケットは写真にとってデジタルで保存していこうと思ったのだが、貼る方がはるかに楽なのでアナログ保存にする。

なんでもノート

主には何かに困ったり迷ったり、はたまた創作のアイデアだしをするときなどに使う何でもノート。パタンと開くのとトモエリバーがお気に入りなのとで、これまでほぼ日の方眼ノートを使っていたのでそれをこのまま利用していく。

入院中ノート

入院中はPCやスマホが使えないので、情報を書こうと思うとノートが必要。とくに読書感想は忘れてしまう前に書いておきたいので必須。ロルバーンLを積みがちなので、ロルバーンLを採用する。

手帳・ノート会議はこれで終了だ。

満場一致で大正解。

使っていくノートたち(各手帳・ノートの使い方)

次の6冊で運用していく。

左から、

  • ほぼ日の方眼ノート
  • ロルバーンL
  • Sooofa
  • ノンブルノー
  • ほぼ日weeks
  • MDノート(文庫サイズ)

ほぼ日の方眼ノート

一人ブレスト、一人会議を行う。

ロルバーンL

入院中の読書管理などに用いる。入院は年に2回までにしたいねえ。

Sooofa

モーニングページに用いる。

闇。

ノンブルノー

行動記録(なんちゃってCBT)に用いる。

「イベント」「状況」「感情」「思考」

ほぼ日weeks

ミニ日記、犬様の記録、各年各月の引き継ぎ等、なんかとっておきたいメモ(例えば病院で言われたこととか)を管理する。

下は、メインのウィークリーページ。左から、睡眠時間と天気と気温、心と体のフェイススケール、ミニ日記、犬が食べたもの、ハビットトラッカー、補液の記録を記録していく。

MDノート(文庫サイズ)

ただただ貼っていく。感想を書くのもよい。

そういうわけでした。

weeksが12月から使えるので、もう移行しているが、この運用で2025年を始めていきたい。
実は自宅にほぼ日HONが余っているのだが、別に用事がないのに使っても仕方ないので、ファングッズとして持っておくかなんかしましょうね。

用事があってこそノートが決まるんだよ

であるから今回、トラベラーズノートの利用にこだわらず、さくっとリストラした。

しかしこの命題は逆もまた真なのだ。ノートがあってこそ用事が顕在化するという面もある。一元化してもよししなくてもよし。思い思いに手帳・ノート楽しんでいきまっしょい。

【読書感想】マリコ、うまくいくよ / 益田ミリ

現代ホラーの金字塔「すーちゃん」シリーズの作者益田ミリがお送りする作品。

入社2年目、12年目、20年目のマリコたちの会社での日常。それぞれのマリコがそれぞれの思惑の中、それぞれに生きていく様を、MRIのように輪切りにしていく。

 

<ネタバレあり>

まあ面白かった。やっぱりホラーだけど。

全員が他責、全員がひがみっぽい。そういう意味ではやはり20年目のマリコは少し達観していて自分の立ち位置とかに応じて立ち振る舞っているが、12年目のマリコが一番痛い。若者枠に入れてもらえてることでプライドを保ったり。2年目のマリコはなんか頑張ってほしいわやっぱ。

いやーこういう現代ホラーのあらたな展開。たまにこの要素を欲してしまうのはなぜなのかしら。益田ミリ図書館で別の作品も予約しちゃったわよよよ。

 

 

【読書感想】スフィアの死天使 天久鷹央の事件カルテ 完全版 / 知念実希人

外科医から内科医へ転向した小鳥遊優は、医局に言われ、天医会総合病院に務めることになった。しかし配属を命じられた統括診断部。連れられるまま屋上に行くと、レンガ造の家が建っている。これが副院長室だという。

その副院長天久鷹央こそが小鳥遊の新たな上司、統括診断部の部長だった。

天才医師鷹央の元には「問題のあr」患者が送り込まれてくる。
あるとき、宇宙人にさらわれて小さな機械を脳に埋められたと主張する患者が現れて……。

 

<ネタバレあり>

いやーめっちゃ面白かった。二人の掛け合いも楽しかった。これが、初めて出た時ってアスペルガー症候群ってまだマイナーだったのかな。いやそんなことないよなとか、若干ASD=天才みたいに見えすぎるが……すごい特別な特性のように描かれているけれど、医者にも元から一定いるでしょとは思った。まあそれはさておき。

内容としては、わくわくはらはらさせられてよかった。しのびこんだときは小鳥遊と一緒にドキドキして気が気じゃなかったし、小鳥遊がトリップしているシーンは本当にやばかったし、やはりキャラが活き活きと描けている小説は読んでいて面白い。

読み進めている間に鷹央のことめちゃくちゃ好きになってたから、めちゃくちゃ活躍して楽しかった。シリーズ読んでみたいなと思った。

 

 

【読書感想】フラッガーの方程式 / 浅倉秋成

東條掠一は平凡な17歳の男子高校生。同じく平凡な男子とつるみ、なんの変哲もない学校生活を送っていた。

あるとき帰路で掠一を待ち構える男がいた。話を聞くと「どんな人でもドラマチックな人生を送れる」という「フラッガーシステム」のデバック作業を手伝って欲しい、とのことだったが……

 

<ネタバレあり>

深夜アニメテイストのドタバタラブコメ小説。めちゃくちゃノリとテンポがよくて、とても面白かった。一見するとすべてが伏線。「御園生編」「一ノ瀬編」「佐藤さん編」の3本立てに見えるが、作中にも出てくるBTTFにように見事な、鮮やかな、颯爽とした伏線(フラグ)回収には惚れ惚れする。「ザ・ご都合主義」

個人的にはすべて面白かった。ドキドキして読んだ。

フィクションは現実にどう作用するのか。
フィクションは現実を演出する。それが答えだ!

 

 

【読書感想】廃遊園地の殺人 / 斜線堂有紀

廃墟マニアの眞上は、20年来の廃墟「イリュジオランド」へ招待された。招待したのは、廃墟愛好家で資産家の十嶋財団の主、十嶋庵。十嶋は廃墟を土地ごと買い取って思うがままに愛でるほどの廃墟愛好家だ。

イリュジオランドに招かれたのは10人。10人で宝探しを行い、見つけたものにイリュジオランドを譲渡するという話をされるのだが……

 

<ネタバレあり>

面白かった!やっぱり斜線堂好きだわ。

各キャラもそれぞれの設定の中で活き活きと描けているし、読んでいて楽しい。斜線堂有紀の作品は、キャラが「設定の中という限定的な中で最大限活き活きとしている」という感じで描けていて、それって結構すごいことなんじゃないかと思う。

イリュジオランドで20年前に起こった殺人の背景や真実を知ると、読者としても苦しい思いをすることになる。

藍里が十嶋なのはわからなかった。枇杷の話は実は気になっていたんだけど、大したことだと思っていなかった。ミステリよく読む人は気づいたんじゃないかな。

ミステリって読者にヒントを与えつつ、それを上回る物語を展開しなければならず、かなり大変だよなあと思う。トリックとかも考えないとならないし。

 

 

【読書感想】屋上のテロリスト / 知念実希人

1945年8月、日本はポツダム宣言を受託せず、戦争を続けた。11月、ようやく日本は戦争を終結させる共同宣言を受託し、東西に分かれた。

それから70年後、西東京市の浅山高校の屋上で、彰人は自殺しようとしていた。靴を揃えて脱いだところ、不登校の女子生徒である沙希に「バイトしない?」と誘われて……

 

<ネタバレあり>

まあ面白かったんだけど、途中でオチが大体わかってしまった。うーん。これ25万部売れたってま?まだ、読後感はよかった。爽やかで、憂慮もなくて。