今年も無事、2回入院してしまった。といっても一月ずつなのでだいぶ進歩した。一年の6分の5は家にいれているわけだから。
さて、では今回も、読んだ順に一言感想と記事へのリンクを貼り付けていくので、「なに読んだのかしら」と気になる方はチェックしてみてほしい。
ちょっと今回読んだ本どれもめっちゃよくて、どれも大体おすすめなので、ざーっと見てみてもらえると嬉しい。
とくにおすすめの本には☆をつけます。
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1 ツミデミック / 一穂ミチ
パンデミックを背景に罪を重ねていく人たちを描いた短編集。後半3作はなかなかにハートウォーミング(さざなみドライブは違うかもだけど)、わたしはその3作が好き。人の気持ち悪い部分とか、醜い部分とか、結構適当な部分とか、合理化してしまう部分とか、優しい部分とか、強い部分とかが、描かれていてよかった。
2 ずっとイケメンを追いかけていたかったけど、そうもいかないよ現実は / 竹内佐千子
著者の竹内さんと編集のM田さん金持ってるな、貯金なさそうだなとか思った。
☆3 アメリカン・ブッダ / 柴田勝家
SF短編集。全作めちゃくちゃ面白い!ほんとすごい面白い!宗教学や仏教、あと物理学の知識があるとより楽しめると思うけれども、知らなくても全然面白い。
4 バッタを倒すぜ、アフリカで / 前野ウルド浩太郎
「バッタを倒しにアフリカへ」の続編。前作より、より研究の内容に踏み込んだ内容で、エッセイとしても面白いし、プチ学術書としても面白い。研究者としてサーバイブしていくことの難しさとか、胃がキュッとなるわ。
5 ウは宇宙ヤバイのウ / 宮澤伊織
面白かった。ドタバタ系のライトなSF小説。SF好きだと元ネタがわかるパロディが結構あるらしいが、知らずとも本作だけで十分に楽しめる。タイトルは「ウは宇宙船のウ」のパロディ。オチがめちゃくちゃなのに大団円、っていうすごい楽しい小説。
☆6 横浜駅SF 全国版 / 柞刈湯葉
「横浜駅SF」の前日譚と番外編という感じ。この作品だけでも面白く読めるけど、「横浜駅SF」を読んでる方が面白いと思う。横浜駅が自己増殖して本州全土を覆っているという世界観。この一言で気になった方はぜひ手に取ると楽しい時間を過ごせると思う。
7 人間たちの話 / 柞刈湯葉
SF短編集。すべての作品を楽しく読んだ。発想がいいのもあるんだけれど、この作者の描く人間って、なんかやさしくてあたたかいのよなあ。なんか無害というか。この作者のことわたし絶対好きと思うし、みんな好きと思うと思う。いろんな角度からの短編集。
8 俺ではない炎上 / 浅倉秋成
これありうるよと思いながら読んだ。逃げる主人公に対して追ってくる人々、警察。ハラハラドキドキさせられ、最後のオチはなんかなんだろうこれ、悲しいとか優しいとか苦しいとかがいろいろ混ざった気持ちになった。
9 自転しながら公転する / 山本文緒
貫一がひたすらかっこいい。ひたっすらかっこいいのを楽しむ小説。のみならず、都の立場に立ち都の気持ちに寄り添うと、また違う感想になってくる。いろいろ煮詰めた感じの小説。
10 君の顔では泣けない / 君嶋彼方
入れ替わりものなのだが、普通の入れ替わりものではない。読めばわかる。人が他人の身体で生きていくことで気付くこと、大切にできること、しなくてはならないこと。自分も他人の身体を借りて生きていると思うようにすれば、自分を大事にできるのかもしれないと思った。
11 体育館の殺人 / 青崎有吾
きゃー楽しい。高校で起こった密室殺人、それを解決するのは!わたしの好きなタイプのミステリだった。探偵役がかっこかわいい。でもミステリって実はみんなこのタイプなのか?とかも思う。
続編があるので読んでいこうと思う。面白かった。
12 ポンコツ一家 / にしおかすみこ
母認知症、姉ダウン症、父酔っ払い、本人一発屋芸人。にしおかすみこがあるとき実家に帰ると実家が大変なことになっていて、戻ってくることを決意。生活を立て直していくべく紛争するが、家族はなに知らぬ顔。でも愛があるのよ、この作品には、この家族には。
13 宇宙に花火を / 松井尚斗
いい人と嫌な人の対比が結構ぎゅっとつまっていた。Youtuberとして成功していく過程をもうちょっと詳しく読みたかったけれど、かなりハートウォーミングでちょっとした良作。
14 きょうも芸の夢を見る / ファビアン
芸人(志望)が主人公のショート・ショート集。芸人(志望)って、こういうふうにすごしてるんだ、こんなことを考えているんだと興味深く読んだ。
☆15 #真相をお話しします / 結城真一郎
ミステリ短編集。めーっちゃくちゃ面白かった。人間のダメな部分、闇の部分がきちんと描けていて、どれも作品として完成度高くレヴェル高い。怖いのよ。怖いの。
16 丸の内魔法少女ミラクリーナ / 村田沙耶香
短編集。可愛らしいタイトルと装丁だけれど、しっかり村田沙耶香。いろんな角度から、「じゃあこれってどうなの?」「どうあるべきなの?」という問いを投げてくる。自分の中で、うーむと考えさせられたりして、やっぱ実力あるわと思った。
17 月まで三キロ / 伊与原新
全部心温まる短編集。気象学、地学の知識がからむ小説って今まで読んだことないなと思って、面白く読んだ。中学とか高校レヴェルの知識で読めるので、構える必要もなく。ほっとするような作品が多く、肺腑を抉られるような読書の合間にちょうど良さそう。
18 冬季限定ボンボンショコラ事件 / 米澤穂信
小市民シリーズの完結編。事故に遭って動けない状況で断片を組み合わせて事件の真相に迫っていく。作者がここまで小鳩くんを追い詰めるんだと、苦しくなった。ひたすらに小佐内さんがかっこいい。二人の馴れ初めが分かって、それも嬉しかった。
19 神様の定食屋 / 中村颯希
神様に祈った結果がこんなぶっとんでる小説他にあった?ってくらい最初度肝を抜かれる。ハートウォーミングな作品で、料理の描写もとても美味しそう。主人公も妹も頑張って生きていってほしいが、休職中の主人公がその後どうしたのかとかも気になるし、続編も読んでいきたい。
☆20 トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー / ガブリエル・セヴィン
こういう小説を読みたかったんだよというのが最初の感想だった。結構長い時間軸の小説で、登場人物たちの心の葛藤とかがギリギリ音がなるようなくらいまで描かれていて、サムのひたむきな優しさには涙が溢れる。
☆21 満願 / 米澤穂信
ミステリ短編集。めちゃくちゃ完成度高い。全部の作品が緻密。重たくて、怖い。人の心の怖い部分や倫理にもとる部分なども描かれていて、重厚感のある短編集。いやーこれ怖かったほんと。どれもドキドキハラハラしながら読んだ。
22 廃遊園地の殺人 / 斜線堂有紀
オリジナル版から、ほぼ全文書き直したらしい。斜線堂有紀は偏愛しているので公平な感想が書けないが、やっぱり面白いし好きだと思った。限定された中でキャラクタを活き活きと描けて、読んでいて楽しい。いや楽しいワクワクする作品ではない。殺人事件だから……
23 屋上のテロリスト / 知念実希人
25万部売れるほどかと言われると疑問だけれど、まあ面白かった。知念実希人だしねー。
☆24 フラッガーの方程式 / 浅倉秋成
浅倉秋成の二作目の長編。今のイメージと全然違う、ドタバタ恋愛コメディ。めちゃくちゃ楽しく、面白い作品だった。ポップでキュートで、ときに切実で。フラグを折りたいのに折れず、立てたくないのに立て、どんどんドタバタ進んでいく中で、全部が伏線。最後は感動。やばい。
25 スフィアの死天使 天久鷹央の事件カルテ 完全版 / 知念実希人
小鳥遊と鷹央のやりとりのテンポが楽しかった。小鳥遊視点なので、小鳥遊と一緒に、鷹央の一挙手一投足に振り回され、ハラハラドキドキしながら読み進めていった。読んでいるうちに、小鳥遊もそうなんだけど、鷹央を大好きになっていく。シリーズの続刊も読んでいきたい。
26 マリコ、うまくいくよ / 益田ミリ
現代OLホラーの金字塔益田ミリの作品。本作はホラー色はうすいものの、うすらさむいものがあり、胃がぎゅっとなること必至だ。
↓Xやってます
8冊予約してしまった。やりすぎか。
— mah_ (@mah__ghost) 2024年12月6日
↓Blueskyもやってます
ちえなみき行ってみたいな。
— mah_ (@nagainagaiinu.bsky.social) 2024-12-06T08:19:06.363Z