地雷グリコ(青崎有吾)

「地雷グリコ」「坊主衰弱」「自由律ジャンケン」「だるまさんがかぞえた」「フォールーム・ポーカー」「エピローグ」からなる連作短編集。

高校生の真兎が、文化祭の模擬店出店場所を巡って生徒会の椚と戦う「地雷グリコ」に始まり、どれも真兎がヒリヒリとした心理戦・頭脳戦を戦っていく物語たち。
表題作の「地雷グリコ」は、四十六段の石段に勝負する二人が各三つずつ地雷を仕掛けた上でゲームを行うというもの。グリコのそれぞれで登れる階段の数、相手が地雷を仕掛けるだろう場所、相手の出す手、ヒリヒリとした心理戦、頭脳戦が行われる。

その他の話も、誰もが知っているゲームに一つルールを付け加え、緊張感を上げる勝負が繰り広げられる。そして真兎は、なぜ戦い続けていくのか……という話の筋もあり。

めちゃくちゃ面白かった。すべてのゲームが著者のオリジナルなのだと思うのだけれど、その発想がまず面白い。ギリギリのところをつく心理戦は手に汗握るものだった。個人的には「自由律ジャンケン」がゲームとして面白そうだと思った。

自由律ジャンケンというのは、ジャンケンで対戦する二人が、それぞれ片手で出せるサインを、グーチョキパーの他に一つずつ設定し、その作用は伏せられ、戦っていく中でサインの意味を探り探り5回勝負を行うというものだ。これ絶対面白い。友だちとやってみたいが友だちがいない、ぐぬぬ

しかし星越高校はぶっ飛んでるし、雨季田絵空はサイコパスだぞ。