【読書感想】あの人と短歌 / 穂村弘

歌人穂村弘が、作家やらモデルやらと対談し、主に短歌について語りまくる本。
対談相手は、北村薫(作家)、酒井順子(エッセイスト)、三浦しをん(作家)、清家雪子(漫画家)、高橋英里(小説家)、知花くらら(モデル・女優)、金原瑞人(翻訳家)、文月悠光(詩人)、鳥居(歌人)、朝吹真理子(小説家)、小澤實(俳人)、保坂正康(ノンフィクション作家)、里中満智子(漫画家)、吉澤嘉代子(シンガーソングライター)、名久井直子(ブックデザイナー)、俵万智歌人)の16人。

まず驚いたのが、短歌をこれだけ多くの人が作ったり読んだりして、それについて深い話をできるのだという事実。短歌ブームになる前の時期の対談なので、それを考えてもすごいなと。
各人がどのように短歌と出会ったかについても話されたりしているけれど、結構みんな古い人たちから入っている。与謝野晶子からという人などもいて、それはすごいなと思った。それこそ穂村弘から入ったとかの方が最近としては自然な気がしたので。
こう、読んでいて思ったのが、みんなすごい短歌をよく読んでいるということ。穂村弘は仕事だから当たり前としても、他の職業の人たちも短歌をすごくよく読んでいて、好きな歌とか挙げられたりして、なんかすごかった。それについての深い話とかもできていて……。

また、他にも、どのように世界を見ているかというようなことも垣間見えて大変楽しい本だった。ああそんなふうに感じる人がいるんだとか、ああやっぱり名をなす人はそれなりのことをしているし、やっぱり変な人が多いなとか笑。

それにしても、わたしは短歌を少し作って、最近は2つほど公募に出したりしたけれど、この人たちほど読んでないし読み込んでもいない……こんなん賞にかするわけもないわと思い知らされた。最近の短歌しか読まないし。塚本って誰だよみたいな。
そういうわけで、もう少しインプットをしていこうと思った。という、なんかこの本の感想としては間違っている気がするが、そんなことを一番に思った。

あと、穂村弘の短歌の、なんかキザな感じとかの意味がわかってよかった。けれど、やっぱミューズとか女性を神格化するのはわたしもちょっと、とは思った。逆に、男性を女性が神格化しないのはなぜなんだろう。それともそういう短歌もあるんだろうか。