1ヶ月と少しの入院で読んだ本の一言感想を、読んだ順に更新していこうと思う。詳しい感想は個別の各記事のリンクを貼るので飛んで見てほしい。
この記事は、その都度追記して更新していく。
(最終更新(完結):2024/05/30)
1 北欧女子オーサが見つけた日本の不思議(オーサ・イェークストロム)
「オーサかわいい♡」以外の感想を抱きにくい。全体の感想としては、ものすごい普通だって感じ。すごい面白いわけでもぶん投げるようにつまらないわけでもない、普通。
2 ボーイミーツマリア(PEYO)
ものすごいよかった。高校生が必死に生きて成長していく物語。今時のニュートラルな価値観が普通に描かれていてそこに説得力があるのもよかった。
3 八月の御所グラウンド(万城目学)
直木賞受賞作。結構普通の出だしから始まって展開して最後にかなりグッとくる。これ気づく人いるんだろうか。最後に多聞と朽木がえーちゃんたちについて語っているところものすごくよかった。このシーンのためだけに読む価値がある。
4 ゴールデンタイムの消費期限(斜線堂有紀)
最初は「斜線堂版ダンカンロンパか?」と思ったけれどそうではなく。面白くてページをどんどんめくってしまった。もっと悲惨なことになるかと思ったが、温かいラストで読後感も爽やかだった。
5 グラスホッパー(伊坂幸太郎)
殺し屋シリーズの第一作。話し手を変えて変えて複数人の視点から物語が紡がれていく。「生きなきゃ」
6 ちょっと不運な方が生活は楽しい(田中卓志)
アンガールズ田中のエッセイ。ちょっとどころじゃないひどい目にもあってきたようで大変だったんだろうな。最後山根の言葉がジーンとくる。子どもの頃親友欲しかったなあ。
7 「推し」で心はみたされる? 〜21世紀の心理的充足のトレンド(熊代亨)
今時のアイドルやアニメの推し活の話ではなく、もっと地に足のついたお話。推し活についてをマズローとコフートの提唱した概念から説明している。もっとキラキラしたお話かと思ったら違った。心理学好きな方は面白い。
8 走馬灯のセトリは考えておいて(柴田勝家)
SF短編集。表題作のエモさがやばい。じんわり心の底の方から温かくなる。こんなテクノロジーが実現したら面白いけど、管理社会感半端ないからならないだろう。
9 最後にして最初のアイドル(草野原々)
10 回樹(斜線堂有紀)
短編集。文章力ものすごい上がった斜線堂。短編の方がそのすごさが伝わるかも。どの作品も「そういうことがあったのかもしれない」「そういう未来があるのかもしれない」と思えるリアリティのある小説で、だけど発想が独特で、そういうバランスのとれたものだった。
11 シャーロック・ホームズの凱旋(森見登美彦)
ヴィクトリア朝京都が舞台。ワトソンが主人公でホームズを描いていく。第五章のドンデン返しに次ぐドンデン返しのメタ・メタ小説。とてもよくて一気読みしてしまった。
12 横浜青葉高校演劇部 コント師になる!?(田中ヒロマサ)
面白かった。文章が特別上手いわけではないが、キャラが活き活きしていて読んでいて楽しい小説だった。
13 おんぶにだっこ(さくらももこ)
2から4歳くらいまでのエッセイ。記憶力がすさまじい。そしてこんな思慮深い子がいるんだという驚きがある。わたしがこの年齢のときには何も考えずに生きていたな……
14 地雷グリコ(青崎有吾)
面白かった。身近な誰でも知っているゲームを特殊ルールで勝負していく短編集。ヒリヒリする心理戦が熱い。そもそもルールの発想がすごい。よかった。
15 楽園とは探偵の不在なり(斜線堂有紀)
すごいよかった。在りし日の青嶋探偵事務所のわちゃわちゃした物語を読んでみたい。そのくらい登場人物が活き活きと描かれていて本当によかった。
16 ルックバック(藤本タツキ)
なにこれすさまじい。という感想だった。絵の書き込みもセリフもストーリーもよい。絵で表現するのすごかった。
17 横浜駅SF(柞刈湯葉)
発想が面白い。横浜駅が自己増殖を繰り返し本州全土と四国を飲み込んでしまった世界線のお話。確かに横浜駅が永遠に工事している様からこういう未来があっても……いやないか。四足歩行の自動改札が怖すぎた笑。案外人間の心理に踏み込んでいてよい。
18 未来職安(柞刈湯葉)
これはなんかありそうな未来。ベーシックインカムが導入された後の職安のお話。現実の世界と地続きで結構面白かった。この著者の小説は読みやすい。
19 かがみの孤城(辻村深月)
面白かった。辻村深月は「傲慢と善良」が分からなくて少し敬遠していたのだけれど、全然違うハートウォーミングなお話。ラストで夢が叶ってよかったなと思った。他の子達はどうなったんだろうと思う。「他の選択肢もある」と知ることは、大人にとっても大事なことだと思った月並みだけど。
20 あなたの人生の物語(テッド・チャン)
「バビロンの塔」がすべてのテクノロジーの進歩の未来を表しているようですごくよかった。
21 キネマ探偵カレイドミステリー(斜線堂有紀)
読みやすくてハートウォーミングなのだけれど影もあって心に刺さる。第二部第三部を読まなければならない(のちに読んでます)。ミステリーだけれど短い話が4つ独立しているので、解決までが短くミステリー読み慣れていない人でも全然読めるのでとっつきやすい。良作。
22 キミトピア(舞城王太郎)
なんか独善的な主人公ばかりで納得できない読後感の悪い小説ばかりなんだけれど、これ怪談なんだって気づいて納得した。そうだ、すごい怪談なんだ。
23 ランチ酒(原田ひ香)
ライトな連作短編。抱えてる過去は重たいものがありそうだけれど、一作一作が短いのでサクサク気楽に読める。お酒飲みたい。
24 神のちから(さくらももこ)
シュールという言葉で表していいんだろうか。なにかすさまじいいものを見た。ぜひ読んでみてほしい。コジコジに出てくるキャラも出てくる。
25 マリアビートル(伊坂幸太郎)
殺し屋シリーズの第2弾。ある意味伊坂らしいドタバタ劇。最後にやはり伊坂らしい怒涛の伏線回収。中弛み一切なしでノンストップで楽しめる。
26 放課後ミステリクラブ(知念実希人)
知念実希人の小説を初めて読んだ。児童(小2から小4くらい?)向けのミステリー。わたしはミステリーを疑わずに読むので子ども向けでも「おお」と楽しめて読めた。本屋大賞ノミネート作。
27 キネマ探偵カレイドミステリー 再演奇縁のアンコール(斜線堂有紀)
シリーズ第二部。前作と同じで映画をモチーフにした短いミステリーで話が進んでいく。最後ググっと物語の輪郭があらわになり、第三部を続けて読まなければならない(読んだ)。
28 キネマ探偵カレイドミステリー 輪転不変のフォールアウト(斜線堂有紀)
シリーズ第三部。前作までと同様映画をモチーフにした短いミステリで物語が進む。すごくよかった。結構リアルに想像すると苦しい内容が続く。解決編が最高だった。二人ともいいキャラしている。斜線堂の人間観って多分舞城と似ていて、それが惹かれるきっかけだったんだろうと思う。
29 君の話(三秋縋)
とてもよかった。この人どんどん話も文章もうまくなる。キャラも活き活きとしていて本当に良かった。
30〜38 さくらももこざんまい
30 あのころ(さくらももこ)
33 ひとりずもう(さくらももこ)
34 さくら日和(さくらももこ)
35 永沢くん
36 もものかんづめ
37 さるのこしかけ
38 たいのおかしら
入院にさくらももこはちょうどいい。笑えるし感心するし泰然自若になれるし。
39 ハイスコアガール1〜10(押切蓮介)
ゲームセンターに行った記憶がほとんどないのですべてはこの漫画で学んだ。大野がツンデレでかわいすぎる。だいぶ初期からハルオのこと大好きでかわいい。ゲーセン好き、ラブコメ好き、純愛好き、色んな人が楽しめる漫画。
40 猫背を伸ばして(押切蓮介)
母ちゃんが最高だ。あと押切蓮介めちゃめちゃ苦労人だなあと思う。よくグレずにここまでこれたよなあ。昔から親孝行だったようだから、今も孝行してるんだろうな。
41 臆病な僕らは今日も震えながら(汐見夏衛)
面白かったけれど、中高生が読むといい小説。大人にとっては今更感がある。まあ泣いたけど。
42 本の背骨が最後に残る(斜線堂有紀)
短編集。スペキュレーティヴフィクションという意味でのSFってジャンルになるのかな。斜線堂有紀どんどん物語も文章も上手くなってびっくりする。どの作品も発想がすごくて、でも説得力がものすごいあって、大変よかった。
43 ディスコ探偵水曜日(舞城王太郎)
難しい。ねじまき鳥クロニクルのオマージュであるという記事をいつか出したいのだが、いかんせんディスコが難しすぎてなかなか進まない。さらっと読んだだけでもオマージュだってわかるのだが、記事にするにはもっと精読しないとねえ。
一番のオススメ本
読んでください。
これにて入院編は完結
厳密に言えばあと数冊細々読んだのだけれど、感想メモにも残さなかったので割愛。1ヶ月と4日の入院で43作は結構読んだのではなかろうか。
とかいって4月の読了数0だったので読書は捗ってはいないのだが。