入院中に読んだ本を、少しずつ書いていこうかと思ったのだけれど、思いの外暇なので、一挙に展開していくことにした。何度も読んだ本も含んでいる。好きそうな本ばかり持って行ったので、まあ好きなんだ。
ちなみに入院シリーズはあと3記事あります。
では書いていきます。感想はちゃんと書くと、しっちゃかめっちゃかになるので、どれも一文のみにしています。
読了順です。
君の地球が平らになりますように。
<大好き>。斜線堂有紀の短編集。表題作も好きだが、「転ばぬ先の獣道」がすごかった。
恋する寄生虫(三秋縋)
<好き>ジェネリック村上春樹なので、村上春樹を読んだことがない若い子たちには逆に新鮮なのかもしれない。良作。
ミシン(嶽本野ばら)
<わけがわからん>正統派純文学好きの人ならきっと価値がわかるんだろうけど、わたしはひたすら気持ち悪かった。
さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ(永田カビ)
<普通>うんまあ普通で、この人周りの人の感情も気遣いも所与のものとして受け流しすぎていて積み重ねがないんだよな。
膵臓がこわれたら、少し生きやすくなりました。(永田カビ)
<普通>うんまあ普通なんだけど、素人が監修もなく病気や障害について軽く言及するには、自分を客観視できているようでできていない。
1日ひとつだけ、強くなる。 世界一プロ・ゲーマーの勝ち続ける64の流儀(梅原大吾)
<普通>プロゲーマーによる自己啓発本で、すこし斜に構えすぎに感じた。
ボクたちはみんな大人になれなかった(燃え殻)
<大好き>文章がうまいとかストーリーが激動とかではないのだけれど、引き込まれ、グッとくる。エモい。
猫背を伸ばして 新装版
<好き>だいぶ苦労人だったみたいで、母との絡みがすごくよい。「運・不運なんてない」という母の言葉は、ある意味では正しくて、そうして生きてきた人の言葉だからこそ心に響くものがある。
僕らには僕らの言葉がある
<好き>出てくる人が全員いいやつでよい。
さくらももこのエッセイたち
ひとりずもう/さくら日和/まる子だった/あのころ
おんぶにだっこ/もものかんづめ
<大好き>とにかく文章が面白く、特に「ひとりずもう」の漫画の投稿時代の話がとてもよかった。さくらももこは人が思うより努力家だ。
バーナード嬢曰く(施川ユウキ)
<大好き>うんちくものとしても、青春漫画としても、いろいろな受け取られ方がされ得る漫画で、とても好きになった。SF以外ももっと勧めてほしい。
孤独の価値(森博嗣)
<微妙>自己のキャラ設定がそうなのだろうけれど、いけすかない。
表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬(若林正挙)
<好き>内容も文章も普通なのだけれど、尋常じゃない自意識で「そうそうそうだよね」と思った。若林は個人的に結構好き。
恋に至る病(射線堂有紀)
<大好き>つっこみどころがどこにあっても、大きくアイディアを膨らませてて、ってかわたしは射線堂が好きなんだな……。まだきちんと考察できていない部分もあるのでこれからも読み返すだろう。大好き。
推し、燃ゆ(宇佐見りん)
<好き>何これ面白いと思ったら文藝賞出身の人で、よくできていた。救いがなさすぎてとてもよい。家族が少し冷たすぎるとは思ったけれど、それも相まって。
蛍・納を焼く・その他の短編(村上春樹)
<大好き>「ノルウェイの森」より元となった短編「蛍」の方がわたしは好き。「蛍」以外の作品がそれぞれホラー要素があって怖い。
短篇七芒星(舞城王太郎)
<大好き>異なる各話のすべてのテイストの話を舞城王太郎が書くとこうなる、見事の一言。舞城王太郎って村上春樹好きだよなとなんとなく分かるような作品もあった。
岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた
<好き>任天堂の故岩田さんの書いてきたこと、話してきたこと、まなざし、今更だけど、本当にすごい人だったんだなあ。人に厳しい側面とかもあったんだろうか、経営者だし。
流浪の月(なぎらゆう)
<好き>いくえみ綾の「バラ色の明日」の「who」とちょっとだけ近い設定。期待以上に面白く、途中展開がつらく、読んでいるだけなのに苦しくなってしまった。さすが本屋大賞常連。
回樹(射線堂有紀)
<大好き>最高だった!文章もすごくうまくなっていて、話も面白い。発想がとてもよい。大好き。
コンビニ人間(村田沙耶香)
<好き>これ救いがなさすぎて好きだわ〜。人によっては「人がなんと言おうと自分が好きなものは好きでいいよね」みたいな救いを見出すみたいなんだけど、全然違う。誰も成長しない、誰もどこにも動かない、誰にもそれを変えようがない。救いが無い。
私はあなたの瞳の林檎(舞城王太郎)
<やばい>すべての話が少しずつままならなくて、少しずつもどかしくて、何回も読み返している。「僕が乗るべき遠くの列車」はすごすぎる。中二を拗らせたことがある人には刺さりまくる。
夏の終わりに君が死ねば完璧だったから(斜線堂有紀)
<普通>この作品はあんまりそれほど好き!って感じでは無い。斜線堂、舞城王太郎好きなんじゃないかなあ。
奇想と微笑 太宰治傑作集(森見登美彦編)
<やばい>文章はうまいし、読ませる力もすごいし、小気味いいしで、太宰治マニアになってしまう人の気持ちが心の底から分かった。というかにわか太宰マニアにこそ逆に読んでもらいたい。
ジョーカー・ゲーム(柳公司)
<好き>読みはじめには「はいはい凄腕のスパイたちが活躍するゲームね、と思ったが、そうじゃなく、人の強さもまた弱さも限界も描かれていて、本当に面白かった。
満月珈琲店の星詠み~メタモルフォーゼの調べ~(望月麻衣)
<普通>面白いは面白いし、最後の回収もよかったが、文章に厚みが一切なく、改行が多くて読みにくいと思ったら、ウェッブの出身の人っぽい。ウェッブ出身の方は改行が多いんだよなー。
深夜特急(沢木耕太郎)
<好き>まあ普通に面白い、自分が旅をしているようにも感じ、バックパッカーの憧れの書というのは頷ける。入院中に読むには最適。ベッドの上にいながらにして、可能性の世界では世界に旅立っていける。
旅する力―深夜特急ノート(沢木耕太郎)
<普通>いろんなことが書いてあるのだけれど、自分のことも周りの人のことも大好きだからこそ、旅を続けていけたんだろうな。
ハローサマー、グッドバイ(M.コーニィ)
<大好き>とにかくラストが爽快!SFは永遠の初心者なのだが、かなり面白く読んだ。
女王はかえらない(降田天)
<好き>読書好き看護師さんのおすすめ本。ミステリ初心者というか伊坂幸太郎以外ほぼ読んだことがなかったので、「うぉー」「まじか」「そういうこと?」「そうなのか!」と、鼻血を出しながら読了した。
三日間の幸福(三秋縋)
<微妙>びっくりするほど稚拙で、内容も設定も文章もめちゃくちゃ下手だった。
(この三年後に「恋する寄生虫」を書いたのなら、相当編集に直されたか修行したかどちらかかしらねえ)
六人の嘘つきな大学生(浅倉秋成)
<好き>就活ミステリ。こんなんよく思いつくわ。全然展開が読めなくて、楽しかった。でも就活を思い出すと暗い気持ちになる。
読書嫌いのための図書室案内(青谷真未)
<好き>これ読んだら本を読みたくなる、良作。
畏れ入谷の彼女の柘榴(舞城王太郎)
<大好き>舞城王太郎にしては久々に3作とも村上春樹を感じるこの語りを、自分のアイディア、自分の力、自分の文体で書き切って成功している。お見事。
思いつき無職生活(いけだいけみ)
<普通>うん、まあ普通。
バラ色の明日(いくえみ綾)
<大好き>漫画を継続して読むきっかけとなった作品で思い入れがあるだけかもしれないが、よい。絵が上手い、話が面白くて引き込まれる。それぞれの話に説得力がある。よい。
愛じゃないならこれは何(射線堂有紀)
<好き>タイトル通りの短編集で、ままならなさ、もどかしさなど、さまざまな感情を掘り下げてあり、読んでて楽しい。タイトルナイスだよなあ。
正欲(朝井リョウ)
<好き>文章もうまく内容も深く、一気読みするほど面白く、また、考えさせられる。多様性とは何かとか。
終わりに
こうしてまとめてみると、せっかく時間があったんだから、もっと本を読みたかったなあと思う。でも入院中は、塗り絵も水彩もジェンガも、だらだらいろんなことを喋るのも楽しかったのでまあよし。
こちらの記事もどうぞ。
わたくしからは、以上です。
追伸
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