遠心分離機

文体の練習

【週報】今週読んだ本とちょっとした感想(1/1〜1/7)

週報

月次で読んだ本をまとめようかと思っていたが、思いの外本を読める週もありそうなので、週報という形でまとめることにした。まったく読まない週も出てくるはずだが。

で、第一週はすでにして終わっているが、まあ一週目の報告。

R帝国(中村文則

ディストピアが舞台の救いの無いようなあるような無いようなお話。多分人類が一回滅びたかほとんど壊滅したかの後のうんと未来の元日本のお話。おそらく。

全体的に面白く読んだ。都合のいい展開とか仕掛けとかもあるけれど、まあ小説にせよ漫画にせよ大体のものはご都合主義なのでそれほど気にはならなかった。
あまり本を読まないorライトに読む層の多くの人に読んでもらおうとした、意図したヒット作だと思う。そのため、日常的に本を読む人や、細かく読んでいく人にとっては粗のあるように見える箇所もあるみたい。

(R帝国については、別で記事を書いてたけど、そうまでするほどでもないのでこちらに収載し直しました。☆くれた方すみません)

 

ダブル・ジョーカー(柳広司

ジョーカー・ゲームシリーズの第二作。前作に引き続き、スパイをめぐる連作短編。第一作は読んでなくても楽しめるが、読んでる方がまあそりゃ楽しい。
D機関の人間が主人公じゃないお話でD機関の活躍を描くという離れ業が成功している。なので、描かれている主人公の物語とその奥にあったD機関のスパイの物語と、2つを楽しめるお話たち。お見事でした。

 

パラダイス・ロスト(柳広司

ジョーカー・ゲームシリーズ第三作。同じくD機関をめぐる連作短編。

第二作とほぼ同じ感想。楽しめた。けどなんか連続して読むようなものでもないなとは思った(笑)。食傷気味になってしまう。著者は一切悪くない。

 

ラスト・ワルツ(柳広司

ジョーカー・ゲームの第四作。こちらもD機関をめぐる連作短編。どの話も前作までと少し違って楽しめた。
小説の読み方の問題だと思うんだけど、「どいつが敵なんだろう」とか考えながら読む人にとっては「その情報さっきなかったじゃん」と思う瞬間があるかもしれない。わたしはあまりそういう読み方をしないのであまりそういう目にも合わない。良し悪しではない。考えて読んだ方が楽しみもあると思うし。

最終話は、ついに掟を破る。だからなんとなく、次作ではそれを受けての物語が描かれないかな、描かれるといいなと思った。

 

神に愛されていた(木爾チレン)

少女が小説家になるまでのあれこれとそのあとの嫉妬と憎悪に狂った物語。

冴里(さえり)=サリエリ
天音(あまね)=アマデウスモーツアルト

であるので、もっと深い物語が書けてたらよかったねと思った。
人に語る口調で物語が進むから、「〜した」「〜と思った」「〜だった」となるのは仕方ないが、やはり文章にももう少し奥行きが欲しかった。

「実は◯◯は⚫︎⚫︎でした」という展開は序盤から分かるのだけれど、天音が母ちゃんをアレしたことまでは思い至っていなかった。もっとサイコパスに。天音をもっとサイコパスに描いてくれ!

 

スキップとローファー#1〜#3(高松美咲)

田舎から出てきた女の子が東京の高校でいろんなことにぶつかりながらも楽しく暮らしている物語(ここまでのところは。しかし不穏)。

大変ほのぼのしていて大変よろしかった。続きも気になるが、いっぺんい全巻買う豪快さが足りない。

ダイヤモンドの功罪#1(平井大橋)

何のスポーツをやらせても人より秀でてしまう主人公の苦悩。しかし自分の才能が当たり前の場所に行くことになる。が、主人公自体は楽しく野球をやりたいだけなので、追い出されたようでかなしい。2巻は気になる気もするけど、まあいい気もする。

サクラサク#1(咲坂伊緒)

駅で助けてくれた男の子を探す主人公。高校に進学して友だちとなんやかや仲良くやって探してた人が人違いででもいつもそばにいる子に恋の予感、みたいな話。

なんだ。やっぱもう高校生の恋愛に入り込めなくなってきた。ガーン。

太陽よりも眩しい星#1(河原和音)

小学校のとき仲良かった子と同じ中学高校へと進学していってなんやかや実は両思いなんだけどお互いそれに気づかないまま毎日が楽しくすぎていく話。もちろん少女漫画なのでこのあと辛い思いをしたり不穏な人物が出てくるとは思うが、基本今の所いい人しか出てきてない。

なんかなー。面白いしかわいいんだけど、やっぱもうおばさんだなと思ったね。同じ高校生の恋愛でもスキップとローファーとかは面白いから、描き方の問題なんだろう。少女漫画の技法、がきっともうわたしの心を揺さぶらなくなったのだ。さびしい。じゃあ今I LOVE HER読んだらどうなるのよ😢

以上

というわけで、一月第一週の読書報告でした。