読書初心者に戻るけど、知ったかぶりで語りたい

読書初心者に戻る

これまでの人生で、読書はしてきたつもりだった。22，3歳までは、読書にたくさんの時間を費やした。新書もあほほど読んだし、小説やエッセイもたくさん読んだ。江國香織や吉本ばななをなど、当時の女子大生の必修科目もクリアしてきたし、そのとき流行っている小説も、当時はよく顔を出していたリアル書店で物色して、目に触れ手に取る機会があった。セカチューとかもリアルタイムで読んだし。

しかし学部を卒業して以降、伊坂幸太郎、舞城王太郎、森見登美彦以外の小説はほとんど読まなくなった。それでも、そうした好きな作家の新作くらいは読んだりもしていたが、それだけだ。それもリアルタイムでは追っていなかった。数年後に知って読む、みたいな感じだ。好きな一説を暗誦できるほどの村上主義者だったのが嘘のように、春樹もスッパリと読まなくなった。もうこの17,8年、ろくに読書をしてこなかったことになる。

だから直近の読書体験があまりに少なすぎて、何を読んでも「おぉ」となる。たとえば最近だと知人に貸してもらった（のち、もらった）降田天の「女王はかえらない」を読んで「おっほほほほ」となった。これは幸せなことだ。もっとたくさんの「おほっおほほ？」に出会いたい。

この経緯を経て、わたしは意図的に読書初心者に戻ることにした。