「台風一過」という言葉を最初に聞いたとき「台風一家」と誤変換した人は結構いると思うし、そんな一家がいたら素敵じゃないかとも思う。しかし違うのだ。台風は一過。翌日にとんでもない日差しと暑さを発揮する。37℃である。
あまり遠くに出かけたくならない気温だ。そこでまあ近場っつーことで、ちょっと気になっている展示があったので、現代美術館まで行ってきた。「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」である。
国立現代美術館 日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション(〜2024年11月10日)
高橋龍太郎というのは日本の精神科医で、早くから地域医療などに取り組んでデイケアや訪問看護などを展開してきた人らしい。3,500点を越える美術品を所蔵し、さまざまな年代においてその世界、価値観を浮き彫りにして見つめてきたような作品を蒐集している。
展示は「1. 胎内記憶」「2. 戦後の終わりと始まり」「3. 新しい人類たち」「4. 崩壊と再生」「5. 「私」の再定義」「6. 路上に還る」の6章構成になっている。展示室は1Fと地下2Fで、その作品数は膨大だ。腰が痛くなった。腰が。
1の胎内記憶は草間彌生の作品群で、撮影が禁止。
草間彌生って「水玉の人」という印象しかなかったのだが、展示している作品たちを見てだいぶ評価が変わった。やっぱすごい。ただ水玉模様が並んでいるだけではなくて、全体として訴えかける何かが確かにあった。すごいな。
そして2章以降、高橋龍太郎の幅広い興味と蒐集力に度肝を抜かれる。
だ、だれやねん。こわいわ。口の中まで覗いちゃったわ。
そうかと思えばこんな緻密な絵。
かと思えば漫画、アニメ調の絵。
みんな大好き奈良美智。欲しい。
なんか人。
その立体。
RPGのラストダンジョンあたりに出てくる彫像。
菌類好きのみなさん
生えてますよ。
そしてSNS中心に活動していたobの作品なんかも持っている。この絵いいな。
などなど、ここに挙げたのはほんの一部で、現代アートがとにかくこれでもかこれでもかと、本当に膨大な量展示されている。まったくアーティストを知らないのだが、それぞれの絵画に作者と作品についての詳しいキャプションが付いているものが多いので、「ほうほうなるほどね」と通ぶりながら鑑賞することができる。
全共闘世代のことはよくわからないが、この世代の人たちは社会が変容、変質していく様、その虚構性などをすべて目の当たりにしてきた、価値観がガラリと変えられて行った世代であるので、作品の蒐集にもそれぞれの年代のときどきの感傷もあるんだろう。
個人的には草間彌生を再発見できたことがとても嬉しい。草間彌生美術館が新宿にあるらしいから行くしかない。
とにかく量がすごいので、何か現代アートに触れたい、アーティストを知りたいっていう人はぜひ足を運んでみて損はないのではないでしょうか。
深川江戸資料館 お化けの棲家(〜2024年8月18日)
深川江戸資料館の江戸の街にお化けが出まくるお化け屋敷。子連れしかほぼいなかった。
入るとまずマップがもらえるが、暗くて何も見えない。
ちゃんと探せば24種のお化けに出会える。江戸の民家の中に入ってお化けを探したりできるのでちょっと楽しい。お化けは別に隠れていない。
カッパが空を眺めてる。来世は人間になりたいとか考えているのかもしれない。合羽橋にはきみの仲間が祀られているよ、金色の姿でと教えて差し上げたい。
民家に入ると猫又が。猫又と言われるとついジバニャンを思い出してしまうが、もっとおっさんくさいような、いやいやセクシーなような、そんな猫又が鎮座していた。
ん、ケアンテリアかな?
会場内を歩いている妖怪だかお化けだかよくわからんがこれを見て泣く子もいたという。ハイチーズと言ったら少し首を傾げてポーズを撮ってくれた。
邪眼の力を舐めるなよ!
ということでお化け屋敷はおしまい。
他の企画で「深川七不思議」を描いた浮世絵風版画の展示があって、それが結構良かった。
深川江戸資料館は、大人400円子供50円。この価格でお化け屋敷に入れるのだから、夏休みに時間を持て余している子供を抱えるお父さんお母さんは行ってみてもいいかもしれない、明日まで!
↓Xやってます
高橋龍太郎はこの作品群をどこに保管しているのだらうと。
— mah_ (@mah__ghost) 2024年8月17日
↓Blueskyが好きです
現代美術館に高橋コレクション観に行ったけど、品数が多すぎて腰が壊れた
— mah_ (@assa-ghost.bsky.social) 2024-08-17T05:20:24.866Z