MENU

【読書感想】丸の内魔法少女ミラクリーナ / 村田沙耶香

「丸の内魔法少女ラクリーナ」「秘密の花園」「無性教室」「変容」の4作からなる短編集。

「丸の内魔法少女ラクリーナ」では、丸の内OLの主人公リナは、コンパクトを開くと魔法少女に変身し、悪の組織ヴァンパイア・グロリアンと戦う……というごっこ遊びを小学生時代からやめられないでいる。

秘密の花園」では、千佳と同じゼミの早川が連絡が取れないという噂が流れている。それもそのはずで、千佳が早川を監禁しているのだった。

「無性教室」では、ユートの歌謡学校では「性別」が禁止されている。全員がショートカットに切り揃え、トランスシャツという胸の膨らみをつぶすシャツを着てズボンを履く。

「変容」では、真琴は40歳。母の看病がひと段落して、学生時代ぶりにまたファミレスでアルバイトをしている。大学生の同僚のクレーム対応を見て見事と思うが、この大学生たちには「怒る」という言葉が伝わらず、やたらに「なもむ」と連発する。

 

<全体の感想>

村田沙耶香なので外れないです。

 

<ネタバレあり>

「丸の内魔法少女ラクリーナ」は、普通に面白かった。モラハラ彼氏に「マジカルレミー」やれとか斜め上すぎて意味がわからないし、彼氏が前のめりでマジカルレミーをやっていて笑ったし、結局他人に対してはモラハラでしかなくてそこはおぞましく、それを見たレイコが「レイミーはそんなんじゃない」と客観的に見ることができて魔法が解けるようにして彼氏と別れることにしたのはシンプルによかった。

秘密の花園」は、村田沙耶香!って感じだった。あんまり作品数読んどらんけど。気持ち悪く救いがなくて最後はむしろホラー。主人公が狂ってた。早川からしたらポカーンだし、もう本当にトラウマになる体験だよな。

「無性教室」は、ジェンダーレスを目指す世界。なんで「ジェンダーレス」って中世的な「少年」なんだろうと不思議に思う。中世的な「少女」であることはないのだよね。でも自分もそこを目指しがちだから(少年という歳ではないのだが)なんとも言えないなとか思った。性別を隠したまま恋するの、悪くないじゃんって気にもなった。それこそ「好き」ってことだよな。

「変容」はぞっとした。真琴自体も学生時代、大学生の性交未経験率が80パーセントとなりそれに憤っている立川さんを「エクスタシー立川」と陰口を叩いていた世代。夫とは手を繋いだことすらない。最終的に真琴もこの若者たちの価値観に取り込まれるわけで救いないね。
わたしは性嫌悪だけれど、制欲を気持ち悪いと思うけど、人にそれを求めるのは違うと思うし、人類がみんな性嫌悪に陥ったら問題で、エクスタシー立川のように「大事なことだぞ、セックスしろ」って言っちゃうかも、自分のことはput on 棚で。